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コラム

2025.01.18更新

『すべての人に、足元から暖かい家が必要な理由』 ADハウス通信2025年冬号

健康管理に一層気を使う寒い季節がやってきました。特に小さなお子さんや高齢者のいるご家庭は、冬を元気に過ごせるよう生活面に苦慮する場面が多いのではないでしょうか。近年、住まいの温熱環境が健康に大きな影響を与えることが明らかにされています。今回は暖かい住まいがどれほど大切かについて、最新の研究結果を交えてお伝えします。

免疫力の維持・向上のためにまずは体を温めよう

免疫力を上げて病気を防ごう、とよく耳にしますが、どういうことでしょうか。免疫とはウイルスや細菌などの異物から体を守る仕組みのことですが、体温が下がるにつれて免疫細胞の働きは悪くなり、機能が下がってしまいます。冬は低体温になりやすいので免疫力が落ちる傾向にあるということですね。また空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜など最前線で異物を排除してくれる重要な免疫器官の働きが弱くなり、不調を引き起こしやすくなります。「冷えは万病の元」と言われる通り、寒さと乾燥は体によいことがひとつもありません。免疫力を高めるため食事に気を使い、規則正しい生活を送ることも大切ですが、何よりもまず寒く乾燥した場所に長時間体をさらさないことを最優先しましょう。

断熱後進国・18℃以下の寒い日本住宅で冬季死亡率が増加中

今から7年前の2018年、WHO(世界保健機構)は「住宅と健康に関するガイドライン」を公表し、「冬の室温は18℃以上であること、子供と高齢者については更に暖かくするべき」と強く勧告しました。また同時に、日本の住宅の約8割が18℃を下回っていることが世界中に公表されてしまいました。その際もエーディーハウス通信でお伝えしましたが、冬の室温18℃以上が求められた理由については、年齢を問わず呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減することが確認されたこと、18℃未満になると深刻な健康リスクが現れることが判明したからでした。日本では高断熱住宅の普及率が高い寒冷地よりも、温暖な地域の方が冬季死亡増加率が2倍も高いことが分かっています。温暖な地域でも断熱性能の低い家は非常に危険です。なお、18℃とはあくまでも最低の基準。エーディーハウスではエアコン暖房の場合22℃~24℃、輻射式暖房で19℃~21℃の快適温度帯を常に保つことを標準にしています。

寒い家は健康寿命を縮めてしまうその重大すぎる影響とは

寒い家が体に与える影響の中で特に目立つのが血圧への作用です。健康のバロメーターとも言われる血圧は、寒い場所では高くなり(高血圧)暑い場所で低くなります。高血圧は心筋梗塞や脳卒中の引き金になるのでもちろんよくありませんが、血圧の急変動が繰り返される状態も非常に危険です。よくヒートショックいう言葉を耳にしますが、寒い部屋から暖かい部屋へ行き来するたびに血圧の急上昇・急低下が続き、血管や心臓に負担がかかって心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまう症状のことです。見落としがちなのが冬の朝、温かい布団から出時です。部屋が10℃まで冷えていると、20℃の時と比べて血圧は約7.3㎜Hgも高くなり、これが80歳以上の高齢者になると10㎜も急上昇します。更に高齢の女性は低温による影響を受けやすく、12㎜も上がります。高血圧で降圧剤を飲んでいる方は、12㎜血圧を下げることがどれほど困難かお判りになると思います。研究によると血圧が安定し始める室温は20℃以上、高齢者の場合は25℃でようやく効果が表れます。住宅の断熱性能を上げて暖かい家にする方が、お薬よりもよほど血圧を安定させる効果があるということです。もっと気になる研究結果に「暖かい住まいは脳の劣化が少なく、1℃暖かくなるごとに2歳若い」という報告があります。つまり、5℃違えば脳年齢は10歳も若いことになります。これは血圧の急変動が少ないため、脳に与えるダメージが少ないからと考えられています。実際、2℃暖かくする毎に要介護期間が3年短くなることが分かっています。他にも、寒い家では総コレステロール値が基準値を上回る人が1.8倍増え、関節痛・腰痛は2.8倍患者数が多いと結果が出ています。暖かい家が健康に必要な理由が次々と数値で明らかにされています。

暖かい家で子どもが健やかにのびのびと育つことができる

温度差によるヒートショックの話になるとつい高齢者だけの話と思いがちですが、温度と血圧の関係は30代から表れ始め、また温度については小さな子どもの健康にも重大な影響を及ぼしていることが判明しました。子どもは体温を調節する機能が未熟なため病気しやすいのは当たり前と思われていますが、近年の調査では「暖かい環境で過ごしている子どもは保育園・幼稚園の病欠率が低い」という結果が報告されています。暖かい環境でのびのびと過ごすことが、心身ともに健やかな成長に繋がっていると考えられます。また、少し大きな小中学生については低体温症が増えていることが問題になっています。ある調査では小中学生の3割が平熱36℃以下しかなく、朝体温が上がらないため起きられない、夜も寝付けないという悪循環に陥っています。低体温を改善するには体を動かして筋肉量を上げるのがよいそうですが、寒い場所では誰でも動くのが億劫なものです。このような場合にも、室内を暖かくして体と心をほぐしてあげることが、健康と生活リズムを整える一番の近道になると言われています。

足元から暖かい家にして女性の体を冷えから守ろう

冬に限らず、いつも体のどこかが冷えてしまう冷え性。特に女性に多い症状ですが、女性は男性に比べて筋肉量が少なく体温を保ちにくいことや、血行不良が原因となっています。女性の健康にはホルモンバランスが大きく関わっていますが、妊娠・出産・更年期など一生を通じてバランスが崩れる場面が多く、そこに冷えや寒さが加わると慢性的な不調や疾患を起こしやすくなります。よく足先や手指などの末端の冷えが問題になりますが、その部分は血行が悪く筋肉量も少ないことが原因です。特に足裏は床の温度を直に受けるため、床の温度が低い場合はより冷え性が悪化する恐れがあります。家を暖かくするにはまず足元から、そして床と天井で温度差が生じないようムラなく暖めることが大切です。ある調査では、足元が寒いリビングで過ごす女性は、PMS(月経前症候群)発生率が1.5倍多いとの結果が出ています。出産や育児で室内で過ごす時間が多い女性にとって、足元から暖かい家は心身の負担を大きく和らげてくれる力強い味方になるでしょう。女性に限らず、足元から暖めることは全ての人にとっても大切です。ある実験では、足元を暖かくすると生産性が高く、集中力が増すという結果が出ているそうです。子どもの学習や、在宅で仕事をする方にとっても非常によい環境であると立証されています。

健康は暖かい家でつくられる 高断熱はますます必要な時代に

これまで生活習慣病など病気を防ぐには日々の食事や運動など個人の努力が大切と言われてきましたが、最近これに「断熱性の高い家にして適切な暖房をする」という項目が加わろうとしています。家で過ごす時間が長くなるほど、すまいの温熱環境が体に与える影響が非常に大きいことが分かったからですね。足元から均一に暖かいことで家族全員の健康が守られ、快適に過ごすことができるのであればこれ以上よいことはありません。断熱性能の高い家に改修、または新築して、長く健康的に暮らせる家を手に入れましょう。

AD HOUSEが叶える
“理想の暮らし”

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