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コラム

2020.10.01更新

『ステイホームから見えてきた、新しい住まいの基準』エーディーハウス通信2020年秋号

新型コロナウイルスと共に生きていく時代に入り、住まいのあり方は大きく変わろうとしています。自粛生活が明けた後も、家族が在宅する時間は以前より長くなりました。また今後も外出を制限される期間が繰り返しやってくるかもしれません。ステイホームの時間が増えると、住まいは仕事や育児、運動、休息など、今まで以上に多くの役割を担うことになります。家族みんながストレスを溜めず、心身ともに健康的で快適な生活を送るためにはどうしたらいいのでしょうか。これからの「住まいの基準」について考えてみたいと思います

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ステイホームから見えてきた、新しい住まいの基準

住宅勤務は完全個室よりも広い場所の一部が効率アップ

長く続いた自粛生活を経験したあと、住宅購入やリフォームを検討した方が最初に求めたのが、書斎などの仕事ができる個室だそうです。今まで暮らす場所だった自宅が急に働く場所も兼ねるようになり、不便だと感じることが多かったためと思われます。新型コロナウイルスの影響で急速に普及しつつある在宅勤務ですが、実は2003年から国が推進してきた政策でもあり、コロナ以前から自宅で仕事をしていたという人は在宅勤務者のうち約60%を占めています。とある研究所の調査によると、もともと在宅勤務(テレワーク)をしていた人にテレワークの場所について聞いてみたところ、約40%がデスク一つ程度の書斎コーナーのようなスペースで足りている、ほか約26%は書斎コーナーではないがパソコンや書類が置けて視線が気にならない場所と答え、個室派は25%でした。面積的に完全な個室が作れなかった、という理由もあると思われますが、それでもちょっとしたスペースがあれば十分だという意見が大多数を占めています。個室に籠って仕事をするスタイルよりも、広い場所の一角で仕事をする方が効率も良く、満足度が高いと回答しています。

在宅勤務と家族と過ごすことを両立できる住まいにする

自宅で仕事をする以上、家族と過ごすこともうまく両立しなければなりません。特に自粛期間は保育園や学校が休みになったため、子供が居て仕事に集中できず、子育てもおそろかになったという声が聞かれました。小さな子供は目が離せず、学童期の子になれば学習の手助けも必要です。落ち着いて仕事ができないとストレスが溜まりますが、一緒に暮らす家族も同じようにストレスを抱えています。ここはお互いに個室に避難するのではなく、あえて親として働く姿を見せるようにするのが大切です。ある調査結果によると、親の働く姿を見た子供は夢や希望を持ちやすいという傾向にあります。やむを得ない在宅勤務であっても、これは親子との絆を深める良い機会と捉えて、多目的に使える広いリビングを活用するようにしましょう。書斎のようなコーナーはリビングと繋げて設け、机や書類棚などで区切りをつけると仕事に適した環境が整います。

気兼ねなく電話をかけたり、WEB会議をするためにもう少し落ち着いた空間が必要ならば、リビング内を室内窓でゆるやかに仕切った書斎がお勧めです。視界が開けることで緊張がほぐれ、家族とほどよいコミュニケーションをとることもできて安心して仕事ができます。

狭さはストレスの源となり、広さはリラックスを生み出す

エーディーハウスではもともと、あまり細かく部屋を仕切ったりせずに廊下や部屋の境界を曖昧にしたり、生活動線を回遊させるなど、室内全体を生活空間に仕上げるスタイルを実践してきました。そうすることで限られた面積を広く使うことができ、精神的にもゆとりが生まれるからです。広さやゆとりを実感できることは、ストレス軽減に大きな役割を果たします。ステイホーム中は常に家族が家に居られて辛かった、とはほとんどの主婦の方が思ったことですが、このような状態でも物理的な広さとゆとりがあれば気持ちはかなり楽になります。大切な人とはほどよい距離で繋がりが保てるように、リビングは広く、また少しの遊び心をもって、ゆとりのある快適な空間にしておくことがこれからの時代は更に必要になると思われます。

室内の温度と経済的な不安は心身の大きなストレスに

ステイホーム中は多くの方が自宅の間取りに対してストレスを感じたようですが、家の性能についても不満を感じたという声もありました。あるアンケートでは、「ステイホーム中は光熱費が高くなった」と不満を訴えた方が40%近く存在しました。家族全員が家で過ごしたため、光熱費が例年より多少上がるのはやむを得ませんが、今回はまだ気候のよい季節の中でのステイホームでした。この時期に光熱費が気になるほど増加したのならば、これからやってくる冬に外出自粛があった場合は、更に光熱費の負担が重くのしかかることが予想されます。皆が家に留まらなくてはいけないのならば、せめて室内くらいは快適に過ごせるようにしたいところですが、光熱費を心配するあまり冷暖房を我慢するというのはよくありません。暑い、寒いという環境は身体的にも精神的にも大きなストレスとなります。特に寒さは血流が悪くなり、心臓を始めとする循環器系に悪影響を及ぼします。一年中春のような気候で過ごす人たちには心身のストレスが非常に少ないことは様々な研究からも分かっています。住まいは常春の環境に整えることが必要なのです。光熱費を抑えつつ、冬でも快適な室温を保つためには家の高気密・高断熱が不可欠です。断熱性能のよい住宅に住み換えた主婦の方に聞いたアンケートでは、光熱費が下がったのはもちろんのこと、家事が楽になりストレスが減ったことを40%の方が実感し、満足していると答えています。

高気密・高断熱住宅はあらゆるストレスを解消できる

日本よりも厳しく都市封鎖(ロックダウン)が行われた欧米諸国でも、これからは自宅でいかに快適に、居心地よく過ごせるかが重要なポイントになると考えられ始めています。中でもやはり、「多目的に使える広いリビング」と「安定した室温環境」は絶対的に必要な条件に上げられました。家にいることが楽しく感じられ、快適に過ごせれば何の不安もストレスも抱えなくて済みます。広いリビングを安定した室温環境に保ち、なおかつ光熱費を抑えるために、住宅の高気密化・高断熱化はますます重要性を増してくるでしょう。エーディーハウスがずっと大切にしてきた、高品質で極めてベーシックな家づくりは、これからも続けていく価値が十分あるものであると確信しています。家づくりをご検討の方は是非「ステイホームがしたくなる家」という視点に立って頂き、何が住まいに必要なのかも考えて頂きたいと思います。

編集後記

通販で買ったものが届いて箱を開けたら、品物の上に除菌用おしぼりがひとつ。開梱時の手汚れが気になる時にどうぞお使いください、尚、梱包には直接手を触れていませんのでご安心下さいとの添え書きが。そ、そうですか。ご丁寧にありがとうございます。でもズボラな編集者Y、そこまで気にしません(笑)というか逆にびっくりした、きっと気になって仕方がないという人もいるんだろうな。そういえば玄関扉にアルコール消毒液がぶら下がっているおうちを見たこともあるし、今はむしろそれが当たり前?いやもちろん編集者だって手くらいきちんと洗ってますよ、でもねぇ。東京の友人が言うには、会社の同僚さんの中にも、帰宅後は風呂に直行しないとリビングに入らせてもらえない、という方はかなりいるそうで。特に都心で電車通勤ならば余計に、家庭へウイルスを持ち込まないよう神経使うのかな。

みなさんの清潔意識レベルはどうですか、コロナ前と変わりましたか?どこまで消毒したらいいのか不安に苛まれている方もいるでしょうね。何を清潔と感じるかは人によって違うし、これは許せるけどこれは譲れないというポイントが家族間でも違うからホント難しい。

でもお医者さんも言ってましたが、家庭を完全な無菌状態にすること自体無理だし、それどころか過剰な消毒はかえって危険だそうですよ。人は様々な常在菌と共生しているから、その常在菌まで殺すと免疫力が低下して、ウイルスに感染したとき発症率が上がってしまうそうです。うん、なんか分かるなあ。アトピー性皮膚炎なんかも原因は色々あるけれど、除菌抗菌のやり過ぎが一因ですからね。あまり神経質にならず、掃除も手洗いも普通に、きちんとさえしていればいいんじゃないでしょうか?自分がズボラだからって弁護している訳じゃないですよ!(笑)

それでも今年の冬は玄関で全裸になる(させられる)お父さんたち増えるかもなあ。やり過ぎだとか言うつもりはないけど、ヒートショックにだけは気を付けて下さいね。

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