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コラム

2011.10.01更新

ADハウス通信 2011年10月・11月号「ホントはどうなの?LED(1)」

長い残暑も過ぎ、季節はようやく秋へ。行楽やスポーツ、味覚の楽しみでいっぱいです。夏の疲れが出やすい時ですが、充実の秋をゆっくり味わいましょう。

ホントはどうなの?LED(1)

昨今の省エネブームに乗って、脚光を浴びているLED照明。LED電球が登場してからは住まいにも使われ始め、特に大震災以降は節電意識の高まりで、白熱電球からの買い替えが急速に進んでいるようです。

発売当初は高価であったLED電球も今では手頃な価格になり、何より省エネで長寿命の点が魅力ですが、手持ちの照明器具に使えなかった、使い勝手が悪いという不満の声も多く聞かれます。LED照明は今までの蛍光灯や白熱灯とは性質が異なるので、特徴と使い方を知っておかないと失敗のもとになります。LED照明の導入の前には知識の下準備が必要です。

今回からシリーズで、LED照明とこれからの住まいのあかりについてお伝えしていきます。まずはLED電球へ交換する場合の大切なチェックポイント編です。

LEDの特徴を知ろう

LED照明とは電気を通すことで光る半導体「発光ダイオード」を光源とした照明で、次のような特性を持っています。

  • 消費電力が少ない。同じ明るさ相当の白熱灯と比較して、消費電力は約7分の一、蛍光灯との比較では約半分。
  • 長寿命である。白熱灯の約40倍も長持ちし、計算上一日10時間点灯で約10年の継続使用が可能。
  • 紫外線と赤外線を含まない。紫外線に寄る虫を防ぐことができ、光が熱を持たないため照明焼けによる色あせが起こらない。
  • 入り切りに強く、スイッチを入れた瞬間から100%の最大光量が得られる。また寒い場所ほど効率よく、明るく発光する。

住まいの中でLED照明への交換を考えるなら、このような特性を活かせるような取り入れ方がよいでしょう。例えば取り換えが困難な高い場所の照明には非常に便利です。長時間照明が必要なところや、すぐに明るくなって欲しい廊下、トイレにも適しており、試しに交換する場所としてもお勧めです。虫が集まりにくいので、玄関の照明にも向いています。

交換OKかの確認は入念に

LED電球は普通の白熱電球と同じように、口金サイズが合えば電球ソケットに差し込むだけで使えるようになっていますが、全体的にLED電球は白熱電球よりも大きく、メーカーによっても形や寸法が違うので、購入前に手持ちの器具に入るかどうか、よく確認しなければなりません。例えば同じE26口金でも、LED電球は白熱電球よりも口金付近が大きいので、シェードの小さい器具には入らないことがあります。

LED電球の形や寸法は各メーカーによって様々

LED電球の形や寸法は各メーカーによって様々。しかし確実に白熱電球に近づけて小型化している。

その他にも水や熱に対して物理的な制約があります。LED電球は水滴や結露で絶縁不良を起こしやすいため、浴室や屋外の既存器具にLED電球を取り付けることはできません。水滴がかかる恐れのある場所には、照明器具ごとLE専用のものにする必要があります。
また、LED電球の光自体には熱がありませんが、電源付近はかなり放熱しています。その熱がこもるとLED回路に支障をきたすため、電球廻りをぴったり覆うような密閉型シェードの器具には、密閉型専用のLED電球にしなくてはなりません。同じ理由で、熱が溜まりやすい断熱材施工の器具にも、対応型のLED電球が必要です。住宅のダウンライトには断熱施工型の器具が多いので確かめてみましょう。「SG」「SB」「SGI」の記載がある器具が当てはまります。

もうひとつ、明るさが調節できる調光機能付きの照明器具にも、調光器対応のLED電球が必要です。調光機能付き器具は点灯回路の仕組みが通常の器具とは異なっているため、普通のLED電球では破損や短寿命の原因になります。調光して使わない、という場合であっても、調光器対応のLED電球を使いましょう。取り替えた後は、以前のリモコンを使って調光することはできなくなります。

一つ数千円するLED電球。購入の前にはしっかりとしたチェックを。

安くなったとはいえ一つ数千円するLED電球。買ったのに使えなかった!ということがないように、大変でも購入の前にはしっかりとしたチェックを。

LED電球はまだ発達途上にあり、既存の器具すべてに代替えすることはできませんが、技術の進歩は早く数カ月単位で改良しているので、今後はより使いやすいものになっていくと思われます。

ただ、LED電球はまだ明確な基準が確立しておらず、世界的にも急成長の分野のせいか、外国製のLED電球はかなり品質にバラつきが見られます。発色や広がりが悪く、あかりが安定しないなど光の質に問題があるものが多いので、安すぎる商品は避けた方が無難です。
現在のところ、パナソニック、東芝ライテック、三菱OSRAMのLED電球が品質的に信頼がおけると弊社では判断しています。次回ではLED照明の明るさなどを中心にお伝えします。

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編集後記

最近出来た商業施設にはLED照明を積極的に取り入れている所が多いですね。今年の5月にすっかり綺麗になった大阪梅田駅周辺の百貨店でも、LED照明を6割、7割導入したところが出てきました。新築や大改装なら、最初からLEDを前提とした照明計画ができるので、より効果的にLEDを使うことができるでしょうね。デパート、デパ地下大好き編集者、もちろん見学に行きましたよ。
まずは大阪初進出百貨店のデパ地下から!・・・ん、暗い?思わず見上げた頭上には、LEDが燦然と輝いています。でも、光に伸びがない?LEDの色味が悪い?ベースの照明が足りない?と専門家でもないのに勝手な意見(笑)ま、今までにない高級感が漂うデパ地下だとは感じたし、それが狙いかもしれないけど、イチ消費者の立場から見ると、あの明るさでは売り場が静かに落ち着き過ぎ。イマイチ購買意欲が沸き起こらない気がするんですね。もちろん、内装の影響も大きいから照明のせいだけではないはずですが、この明るさ感は計画通りなのかな、これでいいのかな?と勝手に心配(笑)個人的には、明るく賑わって活気があるデパ地下の方が楽しくて好きだなあ~。で、わざわざ大混雑しているデパートに行って色々お買い上げした編集者でした。

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