
コラム
2026.01.16更新
住むだけで疲労回復!リカバリーハウスのつくりかた エーディーハウス通信2026年冬号
寒い冬は体調不良を起こしやすい時期。特に年末年始はイベントも多く、仕事納めや家の大掃除など、やることが増えて疲労が溜まりがちです。冬休み明けはぐったりして体調を崩してしまう方も多いのではないでしょうか。忙しい冬こそ家でしっかり休むことが大切。住まいを効果的な「回復の場」にするための秘訣についてお伝えします。
目次
日本人は疲れすぎ! ますます募る疲労感の正体とは
疲労大国と呼ばれる日本。世界と比べると労働時間が長く、睡眠時間は先進国の中で最短です。さらに休むことに対して罪悪感を抱きやすいという国民性もあり、休養を取るのが下手だと言われています。日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹先生の調査によると、国民の8割が疲労感があると答えており、その割合は更に増えていると言います。特に20代、30代の女性の疲労度は著しく、9割が疲れていると答えたそうです。この年代の女性は育児と家事の主な担い手になっている場合が多く、心身ともに休む暇が全くない状態にあると考えられます。また、在宅ワークが増えて通勤の時間がなくなったものの、仕事とプライベートの区切りがつかず家でも休まらなくなったという声も聞かれます。家とは本来「休養して心身を回復させる場」であるはずですが、家事育児に加えて仕事の場という機能も持つようになった今、日々の疲れを癒すための新たな工夫が求められます。回復能力の高い家、「リカバリーハウス」にして、人生の質を底上げしましょう

日本の休養は「後ろ向き」志向 その休み方で大丈夫?
何かをしようとしても力がなかなか湧かないといった、活動能力が低下している状態を「疲労」と呼びます。疲労が続くと体の中の細胞は次第に傷つき、免疫力が弱まって様々な病気を引き起こすようになります。疲労は未病、と言われるとおり、病気の一歩手前です。疲れ過ぎて何もしたくない、という時は体が今すぐ休みなさいと警告している証なので、早めの対策が必要です。ところで、休みがあれば何をしますか?というアンケートを日本、韓国、ドイツで行った片野先生の調査結果によると、日本人は「休息・睡眠」と答えた割合が圧倒的に高いそうです。韓国やドイツでも休息や睡眠を取ると答えた人は多いものの、それに次ぐ答えは「運動」「家族と過ごす」など、積極的に休みを楽しんでリフレッシュする姿勢が見られます。日本人にはその概念があまりなく、ひたすら横になり睡眠をとることが疲労回復になると思われているようです。しかし実際はこうした消極的な休養が疲労回復に結びついていないことはなんとなく分かるのではないでしょうか。家で一日中ゴロゴロしていたのにかえってだるい、という経験があると思いますが、これは体は休めても、活力が上がっていない証拠。もちろん疲れている時は横になってよいのですが、時間を決め、間に軽い家事でもいいので適度に体を動かすことが重要です。寒い季節になると体を動かすのは億劫になりますが、「積極的な休み方」にして、貴重な休みを効果的な疲労回復時間にできるよう工夫しましょう。

「衣」と「食」での疲労回復は限定的なものが多い
疲れた時に甘いものを食べたり、コーヒーや栄養剤などを飲んだりすると元気が出るように感じます。しかしこうした糖分やカフェインは、疲労感を一時的に隠すという成分が含まれています。体は疲れているのに脳から休む信号を止めてしまうために活動を続けてしまい、重度の疲労蓄積を招く恐れがあります。疲れた時の甘いものやエナジードリンク類は一時しのぎに過ぎないことを頭に入れ、頼り過ぎないように心掛けましょう。疲労回復には栄養補給も大事ですが、これも無理に食べ過ぎないほうがいいと考えられています。スタミナ食を必要以上に食べると消化に時間がかかり、内臓の負担が大きくなるためです。十分に栄養を摂っているはずなのに疲れやすいと感じる時は、食事内容の見直しをお勧めします。また最近では、着ているだけで疲労回復できるという「リカバリーウェア」が注目を集めています。これは遠赤外線効果による血行促進を目的にしており、繊維に赤外線を放射する特殊な鉱物が練り込まれています。着ると体の熱が吸収されて遠赤外線で体に再反射、その輻射熱が身体の深層部を温め、血管が拡張されて全身の血行が促進されます。血行がよくなることで筋肉の凝りが和らぎ、疲労回復が早まるといった仕組みです。遠赤外線を利用した温治療は科学的根拠に基づいているとされていますが、効果が認められているのは一般医療機器あるいは管理医療機器として厚生労働省の承認を受けたものだけなので注意して下さい。また当然ですが、着ている人だけに効果が限定されます。

「住」による疲労回復がもっとも効果的な理由
休養したくても時間がないという人が多いからこそ、手軽で効き目がありそうな食物やリカバリーウェアが支持されるのでしょう。しかしどれも一時的な効果だと考えると、疲労回復の根本的解決とは言えない面があります。休む時間がなくても、家で過ごす時間は人生で一番長いものです。この時間を丸ごと回復に充てることができたら、毎日はもっと活力に溢れたものになります。回復機能がきちんと備わった家であれば、ただ居るだけで日々の疲れが取れて健康になることが可能です。明かりや色彩などを整えて心地の良いインテリアにすることも大切ですが、見落としがちなのが温熱環境と空気の質。特に冬は冷えによる血行不良が疲労回復の妨げになるほか、暖房方法によっては空気汚染が発生し健康を損ねる場合もあるので、慎重に選ぶ必要があります。
輻射熱式暖房で体の芯まで温めてリカバリー
リカバリーウェアは遠赤外線で体の深層部が温められると説明しましたが、同じ効果は輻射熱式暖房でも得られます。輻射熱式暖房とはオイルヒーターや床暖房のように、遠赤外線を介して離れたところに熱を伝える暖房方法です。熱源から放射された熱は冷たい物質に伝わり、その物質自体を温めます。360度すべての方向に熱が放出されるため、人体をムラなく、深層部まで温めることができるのです。風が起こらないので過乾燥にならず、ほこりの浮遊やウィルスの拡散なども防ぐことができて衛生的。ただし同じ輻射式暖房でも燃焼を伴う石油ストーブ類は火の取り扱いに注意が必要なうえ、空気が汚れるので避けた方がいいでしょう。こたつも輻射式ですが、その部分だけなので部屋全体を暖めることができません。オイルヒーターや床暖房のように、風と火を使わない形式で一日行うことが最も理想的です。家族全員の体が温まり、心身の緊張やストレスがなくなって疲労回復に大いに貢献します。

暖かい家は安心、健康。毎日が最高の疲労回復の場所へ
輻射熱式暖房が体によいことは分かっているけれど、24時間となると光熱費が心配という声は依然として多く聞かれます。輻射熱式暖房を効率的に行うためにセットで必要なのが、住まいの高気密・高断熱化です。暖かさを逃がさない構造ならば暖房は少し手助けする程度で済み、光熱費が抑えられます。また、24時間暖かくする理由は睡眠の質のためでもあります。室温が20℃以上になると睡眠効果は格段に上がり、目覚めがよく疲れを残しません。就寝中でも暖かいことは疲労回復に必要なのです。暖かい家は「休む」ということに大きな力を与えてくれます。特に秋から冬にかけての暖房方法がカギとなります。心身が自然と休まり、明日に向かって回復できる、家をそんな最高のリカバリー空間にして、この先も健康で幸せに暮らしませんか。
