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コラム

2018.12.27更新

エーディーハウス通信2018年冬号『消費税率引き上げで、すまいづくりはどう変わる?』

2019年を迎えると、消費税が増税される10月1日がすぐ目前に近付いてきます。家を建てるとき、リフォームの際には、増税後の消費税が適用されます。
2%の額は大きく、増税前にすまいを手にしたほうがいいのではないかと悩まれている方も多いのではないでしょうか。

大きな出費となるすまいの取得に対しては、増税後でも負担が軽減されるような経済対策がいくつか取られています。知っておくと役に立つ優遇措置をご紹介しますので、ご参考下さい。

 

いつから、何に消費税が引き上げになる?

住宅の場合、消費税は契約時ではなく「引渡し(決済)の時」の税率が適用されます。
引渡しが9月30日までなら8%、10月1日以降になると10%となります。

ただしこれは建売分譲住宅などすでに出来上がっている住宅を購入する場合で、弊社が手がけるような注文住宅については、2019年3月31日までに工事請負契約が完了していれば引渡しが10月1日以降になっても税率8%のままでよいことになっています。

リフォームについても同様で、契約を3月31日までに結べば経過処置が適用されます。また、土地の購入には消費税自体かかりません。あまりないかと思いますが、個人間で中古住宅を売買した場合も消費税は対象外です。

注文住宅は3/31までに契約していれば税率8%が適用される

もらえる給付金と減税制度をチェックしよう

現在も住宅を取得した人を対象に、減税が行われたり給付金が支給されるなどしていますが、増税に向けて更に制度を手厚くしています。

これから「減らせるお金」と「もらえるお金」を整理してみましょう。
まず減らすことができるお金に住宅ローン減税があります。

住宅ローン減税とは、住宅ローンを組んだ人の金利負担を軽くするための制度です。
例えば年末に2000万円のローン残高があった場合、確定申告をすれば残高の1%に当たる20万が返ります。今までは最長10年間まで返還してもらうことができましたが、増税後は最長13年間まで返還可能になりました。
運用開始時期がはっきりと決まっていませんが、恐らく10月1日以降と言われています。これにより、ローン残高の1%を返してもらえる期間が長くなるので、増税後の住宅取得でも影響は少ないとみられています。ただ、返還とは正確には所得税からお金が戻るという仕組みです。所得税から控除しきれなかった分は住民税が軽減されます。減税された額は給料明細の所得税、住民税の欄で確認できます。

住宅ローン減税延長のイメージ

 

増税の負担を軽くする「すまい給付金」

住宅ローン減税は、所得税額が低い人は還元されるお金も少なくなってしまうため、あまり恩恵が受けられない場合があります。

それを補う形で現金を給付する制度が「すまい給付金」です。
すまい給付金は申請に応じた金額が現金で振り込まれるので、お金が戻ってきたという実感が得られます。
消費税8%の現在では、年収が510万まで、給付金は最大30万円ですが、消費税10%以後は年収775万まで、給付金は最大50万に引き上げられます

他にも細かい条件はありますが、多くの方が利用可能な制度なので、是非活用したいところです。

なお、住宅ローン減税とすまい給付金に関しては、実際どのくらい控除されるのか、給付金はいくらか国土交通省のホームページでシミュレーションできます。
細かな資料があればより実際に近い計算ができますので、試してみるとよいでしょう。

すまい給付金の給付基礎額

 

大幅アップする贈与税の非課税枠も要チェック

人から財産を譲られると贈与税がかかりますが、年間110万円までは非課税です。
更に、その贈与が住宅取得のための資金の援助である場合は「住宅取得等資金贈与の非課税」という制度により、最大1200万円まで贈与税がかからないようになっています。

これが消費税10%に引き上げられると、非課税額の上限枠も広がり、最大3000万円まで贈与税が免除になります。

通常直系尊属から3000万円の贈与があったときの贈与税は45%、控除額を差し引いても1000万円強の贈与税が課されますので、住宅取得のための贈与はかなりお得です。
最大3000万円の非課税枠が受けられる住宅は認定の取れた質の高い住宅に限られますが、弊社設計施工の住宅は全て高品質の認定を取得しているため、非課税枠を最大限まで利用できます。

こちらは平成31年4月以降の契約から有効になりますので、もし、父母、祖父母からの金銭援助が予定されているなら、契約の時期をよく考えてするとよいでしょう。

大幅アップする贈与税の非課税枠

 

復活!住宅エコポイントも賢く使おう

消費税が5%から8%へ上がった2014年当時には、景気対策として住宅ポイント制度が実施されました。

省エネ性能の高い住宅の新築またはリフォームや、バリアフリー改修をした場合に最大30万円分のポイントが付与され、それを家電の購入費や新たなリフォームの代金へと充当できました。
今回の消費税引き上げに際しても、同様のポイント制度が検討されています。

現在のところ、主に子育て家庭を対象にした「家事軽減リフォーム住宅ポイント」案が進められています
詳細はまだ決められていませんが、食器洗浄機を備えたキッチンへのリフォームや宅配ボックス、ホームエレベーター設置工事などが対象に挙がっているようです。特にキッチンのリフォームを考えている方に朗報です。

 

増税前におすすめする すまいのお手入れと点検

100万円以上のリフォーム工事をローン利用で行った場合は住宅ローン減税の対象になりますが、リフォームに関しては他にも様々な減税制度が設けられています。例えば、

・耐震リフォーム
・バリアフリーリフォーム
・省エネリフォーム
・同居対応型リフォーム
・長期優良住宅化リフォーム

これらのリフォームについては、一定の要件が満たしていれば所得税控除と固定資産税の減額を受けることができます。中には、住宅ローン減税よりも有利な場合や、住宅ローン減税と併用できるものもあります。
このように、新築・中古住宅購入・大規模リフォームに関しては減税や給付金というサポートがあるため、増税前に慌てる必要はありません。反対に、増税後の補助が特にない種類の工事などは早めにした方がよいでしょう。例えば住まいの軽微な手直しや、プチリフォームなどは今のうちがお得です。お勧めの項目としては、

◆シロアリ等害虫対策
◆給湯器・エアコン・照明器具・便器の取り替え

また、昨今のように地震や大型台風がいつやってくるとも限りません。日常の備えとして、住まいに傷みがあるところがあれば直しておきましょう。

◆雨水排水がスムーズにできているか
◆網戸、雨戸など建具類の不具合
◆屋根や外壁の損傷の有無

なんとなくそのまま放置している所や、そろそろ寿命と思われる設備機器があれば、この機会に新しくすることをお勧めします。わずかな工事でも段取りには時間がかかりますので、気になることがあればお早めにご相談下さい。

編集後記

久々の小旅行、お泊まりは純然たる和風旅館。路地奥にひっそりと佇む木造平屋の数寄屋造りは「和の美」そのもの。
格子戸の玄関、静かな畳の間、季節が薫る中庭。なんて素敵なの。時代を感じる古いお宿でしたが、隅々まで行き届いたお手入れと丁寧に設えられた室内は趣深く、優雅で贅沢な気分にして頂きました。

それだけではなく、やはり和室は落ち着きますね。心身が癒されます。和風建築はいいな、としみじみ思いましたが・・・なんせ寒い(笑)

そう、これだけ古い木造なら断熱など無いに等しいはず。木枠の大きな掃き出し窓が連なった縁側なんて、ほぼ外気温(震)
聞くところによると、他のお部屋は床暖房が入っているそうですが、編集者Yご一行のお部屋にはエアコン暖房しかないとか。
「大人数様用の大きなお部屋でして、床暖房ができなかったのです」と恐縮しながら話す仲居さん。

いやいや、正確にはできなかった、ではなくて大きな部屋を電気床暖房にしたらとんでもなく電気代がかかるから、設置しませんでした、というのが本音では?と内心そうツッコミましたが・・・それにしてもエアコン暖房ばかりだと暑すぎて空気カラッカラ。止めると途端に寒くなる。暖房つけっ放しだと喉がやられそうなので止めて寝ましたが、やはり寒かったのか誰か夜中に暖房付けた様子。そしてすぐ暑くなる・・・の繰り返しで、みんなよく眠れなかったみたい。普段安定した温熱環境で当たり前のように過ごしているので、かなり辛め(笑)

でも昔の家ってどこもこんな感じでしたよね。スーッと寒い風がどこからか入り込んでて、みんなでストーブやこたつを囲んで、窓の結露にお絵かきして。
なつかしき良き光景ではあるけれど、やっぱり改善できるところはしなくちゃね。
旅館の雪見障子から見る日本庭園なども最高の眺めでしたが、風情だけでは生活できないし。伝統的なよいところは残しつつ、現代の技術を上手に取り入れて、心地よい暮らしにしなくてはいけません。

あともうひとつ、場所が変わるといつもと勝手が違ってしまうのはお化粧ね。真っ白な蛍光灯の元でやりづらいなあと思いつつ、出来上がった編集者の顔を見た子供たちの視線がなんか、おかしい。「何?」と聞くと「お母さん、顔が昭和だよ」もうすぐ平成も終わると言うのに。いろんな面で、アップデートが必要。

 

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“理想の暮らし”

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