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コラム

2017.04.01更新

エーディーハウス通信2017年春号『大切なペットも一緒に、快適に暮らせる家づくり』

愛するペットと暮らす

何か新しいことを始めたくなる春。家族の生活スタイルが変化するきっかけとなるこの時期に、思い切ってリフォームや新築を決断する方が多いようです。
最近では特に、子供が巣立ったら飼い犬や猫のためを考えて住まいを作り替えたい、また新築したらペットを迎える予定なので最初から準備できることをしておきたいとのご希望が増えています。
今やペットは大切な家族の一員。愛するペットと一緒に楽しく、快適に暮らすための知識や工夫、問題点や解決方法などをご紹介します。

愛犬・愛猫のケガを防止するために

2003年に初めて15歳未満の子供の数がペットに抜かれて以来、その差は一度も逆転することなく、飼育家庭は増え続けています。
飼育されるペットは犬・猫が中心ですが、中でも犬は大型犬でも外で飼われることが少なくなり、約80%の犬が室内飼いになっているそうです。

従来のように犬と人間が住み分けることがなくなり、同じ空間で寝食を共にすることが当たり前になっています。
自分の子供と同様に健康を願い、手間と愛情をかける飼い主の皆さんが一番気がかりなのがペットの高齢化。栄養事情がよくなり、飼育環境も以前より格段に向上した今、長寿になった犬猫の身体面を考慮して、ペットにも優しく快適な家にしたいと思うのは当然のことと思われます。

飼育頭数と15歳未満の子供の推移

まず人には気にならない床の滑りは、犬や猫にとって関節の病気やヘルニアの原因になるので気をつけてあげたいところです。

同時に、爪による傷や汚れにも配慮しなければなりません。
建材の中には、犬・猫が滑らないように開発されたフローリング材や、傷や汚れに強い床タイル、足腰に優しいウッドデッキなどが数多くあります。
床材の保護と、ペットの関節への負担を軽くする効果を兼ね備えた専用の敷物もありますので、様々な方法を検討できます。

ペットのための床材

問題解決には間取りと建材の工夫を

ペットを飼っているとどうしても発生するニオイ。一緒に暮らす飼い主には気にならなくても、来客があると気を使います。
ペットの排泄物やペット自身の臭いは、その原因になるものを素早く取り去る工夫が必要です。

例えば、散歩後に汚れを室内に持ち込まないように出入り口にペット用水栓を設けたり、気軽にシャワーができる洗面台の設置、お掃除のしやすい風呂場にするなど、工夫はたくさんあります。
また、床材や壁材にはペットの臭いを吸着・分解する加工がされたものもありますが、自然素材のシラス壁も消臭効果が高く、臭いがこもる感じが全くしないと喜ばれるオーナー様もいらっしゃいます。

ペットが心から落ち着ける居場所をきちんと整えてあげる、清潔が保ちやすいような計画にすることは、愛するペットと一緒に心地よく暮らすためには不可欠です。

また、ペットのストレスからくる問題行動にも注意してあげましょう。
もともと自然界で生活していた動物にとって、人間の住まいの中はストレスの要素となるものがいっぱい詰まっています。ストレスによるいたずら防止のために、戸棚や引き出しを開けられないようにしたり、無駄吠えで近所に迷惑をかけないよう防音・断熱内窓をつけるなどの配慮も必要です。

ペットのための家 施工例

温熱環境には細心の注意を払って

お留守番で室内はペットだけになるのはよくあることですが、そうなると気をつけてあげたいのは住まいの温熱環境です。
犬や猫は毛でおおわれているので寒さには強く、暖房のない室内でもさほど心配はありませんが、夏の暑さには要注意です。
人よりも体が小さいので温度の影響を大きく受けやすく、皮膚呼吸もできないので、冷房していない部屋では熱中症の危険が高くなります。

特に近年の夏は高温の傾向にあり、少し窓を開けておけば大丈夫という問題ではなくなっていますので、24時間冷房は当然の気持ちで行いましょう。

 

冬は暖房方法に注意が必要です。
寒さに強い犬・猫でも、暖かいところは大好きです。ストーブやファンヒーターなどがあれば近くに寄ってしまうので、うっかりとやけどしたり、倒したりしないようにしなければなりません。エアコン暖房は空気が乾燥するだけでなく、天井と床の上下で温度差が生じるので、床に近い生活のペットと人間の間で体感温度差が生まれてしまいます。

一般的な電気床暖房やホットカーペットは表面温度が約50℃と高すぎるので、寝そべったままになると放熱できず熱がこもってしまい、脱水症や低温やけどの恐れがあります。

犬・猫にとって快適な室内温度は18℃から22℃と言われています。これは人にとっても快適な温度域で、空気だけでなく天井や壁、床など建物全体をこの温度にすれば、皆が心地よく快適に過ごせることになります。

そしてこの快適温度帯は、蓄熱式床暖房が最も得意とする温度でもあります。
蓄熱式床暖房は表面温度が約25℃と優しく、輻射熱でしっかりと建物全体を暖めるので、空気が暖まり過ぎることもありません。

大切なペットのためにも、蓄熱式床暖房はお勧めです。併せて高断熱住宅にすることで、24時間冷房・暖房を効率よく省エネに行うことができます。

自然素材は人とペットに優しく丈夫

ペットがいたら、床や壁はペット専用のものにした方がいいのか相談されることがあります。

確かに、建材メーカーで出されているペット専用材は、消臭機能や汚染防止効果が優れているとの科学的な証明がされているものもが多く、効果は高いと思われます。
ただ、必ずしも専用品にする必要はなく、エーディーハウスでは従来通り無垢材の床やシラス壁のような自然素材もご紹介しています。

自然素材がペットに悪い影響を与えるはずはなく、お手入れも特別に大変ではないと考えるからです。

最近はアレルギー体質の犬猫が大変増えているそうです。
高齢化が進んで免疫力が下がると、皮膚や粘膜などが弱い部分が病気になりやすいので、化学的な製品を家で使わないという飼い主様も少なくありません。そのようなデリケートなペットたちのためにも、自然素材は適しています。

実際、無垢材の床を使用されている方からは犬の滑りが気になることはなく、爪跡などは多少残る程度で逆に味わいになっているとのお声を頂いています。

以前のお住まいでは「どうせ汚されるのだから」「すぐに取り替えるだろうから」との理由で合板のフローリングやビニルクロスにしていたそうですが、合板は引っ掻き傷や飲み水をこぼした後のシミがひどく無残な姿となり、壁もボロボロで見るに堪えなかったそうです。
汚れた部分を取り替えようとしてもなかなか機会が得られず、結局そのまま放置していたとのことでした。

新築の際に思い切って床を無垢板にし、ラフ仕上げや浮造り仕上げなど最初から凹凸のある表情豊かな材にしたところ、傷や汚れが目立たないばかりか臭いも以前より気にならないと、自然素材の持つ力に驚かれています。
そして何よりご満足頂いているのが、無垢材で蓄熱式床暖房を取り入れられたこと。ペットも人間も心地よい快適な住まいになり、お幸せな生活を送られています。

ワンちゃん猫ちゃんたちのためだけではなく、一緒に安心して暮らせる住まいづくりを考えてみませんか。

ペットも人も自然素材の家で心身ともに快適に

編集後記

我が家の長女がこの4月、進学で上京することになりました。
これを読んだらきっと怒るに違いありませんが(笑)これといった取り柄がなく欲も無い娘で、将来をちゃんと考えてるんだろうか?と案じていただけにひと安心です。呑気にしていたけど、それなりに進路は考えていたのかしら。
ところでアナタたちは将来の夢や希望はないの?目標は早く定めなさい等々下の子供たちに説教していたところ「じゃあ、お母さんはいつ何で建築に進もうと思ったん?」と聞かれてハタと考えた。

そうねえ。編集者Yは大学付属の高校に通っていたのですが、その進学先の大学で他に魅力的な学部がなかったので、なんとなく(汗)オイ、消去法かよ!いえ、確かに理由の一つでしたが、もちろんそれだけじゃありませんよ。
編集者の家は転勤族だったので、小さい時は関東各地を転々としました。幼心にも、今度はどんなお家だろう?とワクワクしたり、住み心地はいいけどここはちょっと嫌だな、もうちょっとうまく計画できなかったのかな、など考えたりしたものでした。
不動産広告を眺めて「ここがアタシの部屋!」と妄想するのも大好きで、家や建物に対する関心は強かったと思います。それから、多くの引越しの中には悪徳な不動産屋もいましたよ。両親が紛争解決に奔走している姿を見たこともあり、子供ながら絶対こんな奴ら許せない、私は騙されないように不動産や建築や法律をいっぱい勉強して、敵討ち(?!)してやる。
私ならきっと弱いものの味方につく建築屋さんになれると思ったものです本当です(汗)家は人生を左右する大きな買い物なのだと身を以て体験してきたからこそ、大学に建築コースがあると知った時に、迷いなくこの道だろうと選んだのだと思います。お母さんはしっかり考えてたよ、とまたお説教をたれても小中学生のお子ちゃまたちにはどこ吹く風、まだ仕方ないか・・・ところで長女は進学先が早めに決まっていたので、卒業前に自動車学校に通い車の免許を取ったのですが、教習所はとても楽しかった。運転は好き、など言うので心底驚きました。母は教習所が大嫌いで苦戦したのに(教官が怖かった)運転も苦手で免許取得以来長いことペーパードライバーだったのに。きっと、娘も苦労するだろうと心配していたのに、あっさりと取ってしまうとは・・・。自分がこうだから子供もそうだと思うのは間違いなんですね。
子供の可能性は信じてやらねば、と感じた春でした。

AD HOUSEが叶える
“理想の暮らし”

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