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コラム

2015.08.01更新

ADハウス通信 2015年夏号「住まいすっきり!収納を科学で考える」

住まいすっきり!収納を科学で考える

家族の誰もが毎日忙しく、ストレス社会と言われる現代で、暮らしのストレスのナンバーワンは「収納の悩み」。部屋が散らかりやすい、整理がうまくいかずいつも探し物をしている、片づけそのものが苦手・・・等、収納でストレスを抱えてしまう方が増えています。

リフォームや新築をしようという方も、どのくらい収納スペースがあればいいのか、どのように収納したらよいのか見当もつかないことがほとんどのようです。
収納テクニックを紹介する本や雑誌、収納グッズは沢山ありますが、ここで収納を「科学的」に考えてみましょう。収納の目的や方法が正しく分かると整理がしやすくなり、心も住まいもすっきりすること間違いなしです。

収納スペースは適量で、棚収納が基本

新築やリフォーム時のご相談で「収納スペースをたっぷり欲しい」というご希望を大変多く頂きます。
恐らく、これまでの住まいで片付けに苦労しており、収納が足りないと悩まれていたと思われます。住まいに関する消費者アンケートでも、収納空間は大きいほど理想的だという答えが返っています。

しかし大切なのは、収納スペースの広さだけではなく、「ものの量に合わせた収納スペース」であるということです。
どんな住まいでも面積には限りがありますから、大切な居住スペースを無理に減らしてまで大きな収納空間を作る必要はありません。収納するものが定まっていない大きな納戸はものの溜まり場になり、床下や屋根裏利用のような出し入れのしにくい収納スペースはものが増える一方です。
また、収納スペースに合わせてものを捨てることは大変なストレスを伴いますから、あくまでもものの量の方に合わせて収納を考えます。
これが「適量の法則」です。

エイディーハウスでは設計の段階でお客様と収納に関する十分な聞き取り調査を行い、収納が必要なものの量や数に合わせた収納計画をします。それはただ収納スペースを設けておしまいにするのではなく、できるだけものを効率よく美しく見せて収納できるものであるように考えます。
収納の基本はものを取り出しやすくしまうことです。箱や引き出しに仕舞い込むと、いざ使う時に探しまわったり、使わないままの死蔵品が増えてしまいます。

一番良いのは棚のようにものがよく見える形の収納にすることです。棚は高さや奥行き、幅を変えることで、大きさや重さ、形状の違う様々なものの収納に応じることができる大変便利な収納方法です。そして収納空間を無駄にすることなく使いきることができます。
例えば幅180㎝、奥行き30㎝という1/3畳程度の面積の場所に、高さ20㎝間隔で棚を10段作ったとします。するとそこに生まれた収納スペースは床面積にすると約4畳分に相当します。ものは重ねたり奥に仕舞ったりせず、ものが増えたら棚を増やすようにし、それができるような移動可能の棚にしておくとよいでしょう。そしてその棚は見せてよい収納ならそのまま、隠す収納なら扉を設けるなどして、収納計画を具体化します。

キッチンうしろの食器棚収納庫

弊社設計施工例
キッチンうしろの食器棚収納庫。必要な時に両側の扉をさっと引けば目隠しができるので便利。一方、人に見られることも意識するようになるので、自然と美しい収納になりそのままでもインテリアとして十分完成する。

ものはあるべき場所へ、定位置の鉄則

部屋が片付かないということは、ものが行き場をなくして散らかっている状態です。家にある様々なものは本来あるべき場所、「定位置」を決め、使う場所に使うものがあるように徹底すれば、ものは散乱しません。これが「適所の法則」です。
例えば玄関は「靴と靴入れ」の当然の置き場所ですが、他にも傘、鍵、宅急便受け取り用の印鑑や、寒い時期用のコートを掛けることも考えられます。そこに置くと便利で使い勝手がよいものが「ものの適所」なので、適所を想定しながら収納を設けることが重要です。
また、ものの適所を考えた収納計画は生活動線が短かく、暮らしやすい家づくりにつながります。

エイ・ディーハウスでは、収納計画と生活動線は常に同時に考えます。玄関については郵便受けの位置や小物置場に始まり、続きの間に靴のままでも入れる物置兼パントリー(食品庫)を設け、隣接してキッチンを配置する計画をこれまでも多く実現してきました。
こうすることで、外出から帰り上着や靴を脱ぐと同時に買物の品をパントリーに格納し、そのあと冷蔵のものをキッチンに運ぶという、とてもスムーズな家事動線が完成します。パントリーは常温で保管する食品やストック食品、使用頻度の少ない食器・調理器具の収納や一時的なゴミの保管場所にもなる大変便利な収納庫です。
片付けと収納が完結するパントリーが玄関とキッチン、リビングをつなぎ、動線がうまく回遊することで無駄なスペースが生じず、部屋にものが溢れることがありません。

洗面所についても同様で、服を脱ぎ洗濯して干す、お風呂に入る、という一連の動作を考えてみると、下着やパジャマ、タオル類をまとめて置けるリネン庫があれば便利ですし、洗濯したものをすぐ干せるような出入り口、用具置き場も確保すれば洗濯に関する動作が簡潔に済み、ものも散らかりません。生活動線に従ってものを置く場所を決める、適量を収納できるようにする。この二つを守れば、「片付けなくても片付く家」が自然に手に入る訳です。

「片付けなくても片付く家」

今までの収納の常識を変えよう

これまで日本では、服の収納といえばタンスのような伝統的家具に「畳んで積み重ねてしまう」ことが主流でした。和服は畳んで仕舞うものであり、また数も少なかったことから「畳んで積み重ねる」という収納文化が根付いてきたのです。

しかし現代では衣類のほとんどが洋服ですから、洋服に適した「吊るす収納」に変えることが必要です。吊るす収納はたたむ収納よりも収納力があり、何がかかっているのか一目瞭然で分かる上に、衣類のシワも防げて一石三鳥の役割を果たします。
また、洗濯が済みハンガーにかけた状態のまま収納できるので、家事負担も軽減できます。収納するまでのステップが長くなるとどうしても億劫になってしまうので、日常的に出し入れするものこそ簡単な収納にしておくべきでしょう。
吊るすにはだいたいクローゼット内のハンガーパイプを利用することになりますが、このハンガーパイプの位置も非常に重要です。建売住宅のほとんどでは、クローゼットのハンガーパイプの位置が床から1.8メートルの高さにありますが、これでは服をかけると下に半端なスペースができてしまいます。余った空間はデッドスペースとして収納ボックスが置かれることが多く、結局しまい込むことが多くなってしまい、機能性の良い収納とは言えません。
吊るす収納文化が発達している欧米では、一段目のハンガーパイプの位置は床から2メートルと高く設計するのが普通です。こうすると床から1メートルの位置にもうひとつハンガーパイプを設置することができるので、スーツやジャケットなどは裾を摺らずに上下二段で吊るせます。同じスペースでも倍の吊るす収納を確保することができる訳です。

エイ・ディーハウスでもハンガーパイプの位置は基本的に床から2メートル、ご希望に応じて最初から2段目を設置することも多く、上下二段のハンガーパイプ収納を有効にお使い頂いています。

ADHOUSEの家には無駄な収納空間はありません。

右:ハンガーパイプを2段設置したウォークインクロゼット。左:収納に徹したクローク。
いずれもオーナー様の持ち物量に合わせ、見やすくしまいやすいように念密に計画。エイ・ディーハウスの家には無駄な収納空間はありません。

美しく楽しい暮らしを叶える収納

欧米では家族のライフスタイルの変化によって住み替えることが普通なので、その都度不用品を処理していきますが、定住型が多い日本の家庭ではなかなか荷物の整理をつける機会が得られません。新築やリフォームを考えた時が一番のチャンスです。何をどこにしまうのか考えていく中で要らないものを選別していきましょう。

そして収納しやすい家に作り変えることが大切です。片付けと共にインテリアも楽しむ気持ちで、住まいの隅々まで居心地良く整えられたら素敵ですね。エイ・ディーハウスでは収納に重点をおいた新築・リフォーム計画も得意としています。皆様のお悩みや理想をお聞きしてアドバイスさせて頂きますので、是非ご相談下さい。

階段下もただ漠然と収納スペースにするのではなく、棚を設けて効率よく収納できるように

階段下もただ漠然と収納スペースにするのではなく、棚を設けて効率よく収納できるように。収納しやすい住まいで、収納と同時にインテリアも楽しんで頂き、大変美しく住まわれています。

AD HOUSEが叶える
“理想の暮らし”

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