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コラム

2015.10.01更新

ADハウス通信 2015年秋号「地震や台風が来る前に!安心・安全な住まいにしよう」

地震や台風が来る前に!安心・安全な住まいにしよう

日本の各地で相次ぐ地震や台風の被害に、我が家は大丈夫なのかと不安に感じることも多いこの頃です。
いつ、どこで起こるか分からない自然災害は、日頃からの十分な備えが必要だということはもうご存知ですね。

住まいについても、いつ何が起きても被害が最小限で済むような心掛けをしておくことが大切です。何か少しでも不安があるとしたら、住まいの安全性能を調べて早めに対策をとりましょう。大切な家族の命と財産を守ることは住まいの第一使命です。災害に強い家とはどんなものか、正しく知って備えましょう。

耐震性能の分岐点になる年がある

地震に対して建物が備えておくべき強さは建築基準法の耐震基準によって定められています。耐震基準は過去の大地震を教訓に見直されて改正を重ねているので、住宅が建築された時期によって耐震性能が大きく変わります。建築年度は住まいの安全度を知るための判断基準になります。

新耐震設計では「命を守ること」が目標

建物の耐震性能の大きな分かれ目となるのが、新耐震基準が制定された昭和56年です。宮城県沖地震をきっかけに、「数十年に一度の中規模の地震があってもほとんど損傷しない」ことを前提にした設計基準になっています。

平成7年に起きた阪神淡路大震災では、この新耐震基準以降の建物の倒壊が少なかったことから、この基準がある程度正しいものであるという実証ができました。
しかし、木造住宅の中には新耐震基準でも損壊したものがあり、その原因を調べた結果、柱と筋かいを規定通り設置していても部材同士がしっかり固定されていない例があることが分かりました。

そこで部材の正しい接合方法や、バランスのよい耐力壁の設け方を具体的に定めた法律、新・新耐震基準が平成12年に制定されました。この基準は「数百年に一度の大地震でも倒壊しない」ことが前提です。
建物の耐震性能は昭和56年、木造住宅については平成12年も判断基準の年となります。

ただし、図面が法律通りであっても、その通りに施工されなければ全く意味がありません。建築士のもとで一貫して設計と工事監理が行われている住宅は信頼できますが、工事中の様子や中身が分からないような建売住宅では注意が必要です。手抜きや知識が不十分な業者による施工物件も多く見られ、品質にばらつきが生じています。昭和56年から平成12年の間で建売住宅を購入された方は、念の為に耐震診断を受けることをお勧めします。

我が家の耐震性能を知ろう

まずは自分の家の耐震性を知ることが大切です。日本建築防災協会では、国土交通省が監修した「誰でもできる我が家の耐震診断」という簡単な自己診断表を配布していますので、試してみるとよいでしょう。

我が家の耐震診断表

この診断では、実は満点でも念のために専門家に診てもらうことを推奨しています。何か一つでも思い当たれば対策をとり、高い安全性を保ち続けられるよう呼びかけています。
また、この項目を見ると何が耐震性に影響するのかが分かり、今後生活する上でも参考になると思います。

 

自己診断表の項目にはありませんが、シロアリの有無のチェックも大変重要です。
シロアリの恐ろしいところは、木材の表面を残しながら内部を食べ尽くしてしまうことです。
気付いた時には手遅れの事が多く、柱や土台の機能が完全に失われ、建物の耐震性能が著しく低下しています。阪神淡路大震災では、シロアリによる被害・腐食があった住宅の93%が全壊しています。

シロアリは初夏の雨上がりの後などに、羽を落として一斉に飛び立つ習性があります。この時期に家の近くで多数の羽を見つけたり、集団で飛び立っている姿を見かけた場合はすぐにでも調査を依頼しましょう。

ADHOUSEが採用するシロアリ忌避剤「森林恵MC」

耐震補強の進め方と内容

自己診断の結果、専門家による耐震診断が必要との判定が出れば建築士や工務店に一般診断を依頼し、その後精密診断を経て補強工事となります。診断を依頼する時は家の図面類があれば提出して、増改築の有無や補修した時期、回数など、家の履歴をできるだけ詳しく伝えて下さい。弊社設計施工のお客様は弊社で全て管理しておりますのでそのお手間はいりませんが、違う場合は一から調査をさせて頂きます。
調査の後、報告書を基に補強計画をご一緒に進めていきます。

工事内容を相談されても困ると思うかもしれませんが、業者の計画の方針はきちんと聞いて、納得できるものにしておきましょう。
特に予算との兼ね合いは大切です。上限がなければいくらでも耐震性は上げられますが、それでは過剰設計になり無駄も生じますので、予算に合わせた適宜な計画で必要な耐震性能を確保することが大事なのです。

耐震工事は一般的には壁の補強が中心になると思われます。
地震や台風時の横揺れの強い力に対抗する、重要な役割を果たしているものは壁です。今ある壁を補強したり、新たに耐力壁を設置するなどして丈夫な家へ作り変えます。
ただ耐力壁だらけではもちろん住み辛くなりますので、居住性や快適さに影響が出ないようなデザイン力も必要になります。
良心的で信頼のできる業者かどうか、相談の時に見極めおきたいところです。
リフォームを元から検討されていた方では、同時に耐震診断を受けることをお勧めします。必要であればリフォーム工事の際に耐震補強も行うので工事が一度に済み、安全で快適な暮らしを短期間で叶えることができます。

日常のメンテナンスこそ重要なカギ

耐震診断など面倒なことのようにも思えますが、災害から住まいと身を守るために一度は「住まいの健康診断」を受けておきたいところです。
大掛かりな工事になる前にも、日常の住まいのお手入れで予防できることはたくさんあります。例えば外壁まわりに傷みがないか、室内に結露やカビが発生していないかなどのチェックは日頃からしておきましょう。

雨漏り個所や外壁のヒビからは湿気が流して、木材の劣化に大きく影響します。雨樋も破損や落葉の詰まりを放置しておくと、思わぬ所に雨水がかかって外壁が傷む原因になります。
湿気を帯びた木材や腐朽したものはシロアリの格好の標的となりますから、日常のお手入れや点検を欠かさずに行うことはとても大切です。

定期的なメンテナンスも受けて、住まいを長持ちさせる努力を心掛けましょう。

AD HOUSEが叶える
“理想の暮らし”

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