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コラム

2022.10.01更新

『値上げから暮らしを守る、高性能住宅』エーディーハウス通信2022年秋号

あらゆるものが値上がり続けている今、ご家庭の経済状況を見直された方が多いと思われます。特に今年は猛暑の中、電力不足に加えて電気料金も値上げするなど、エネルギー問題をより身近に感じられたのではないでしょうか。様々な見通しがつかない中、今後の住まいはどのようなかたちであるべきか、改めて考える時期を迎えていると言えます。これから新築やリフォームを検討している方はもちろん、値上げに影響されずに豊かな暮らしを送りたいという方に知っていただきたい、大切なポイントをお伝えします。

不安定な世の中でも安心して過ごせる住まいの条件

食品や日用品などの物価高を日々実感するなか、とても住まいにお金をかけられるような余裕はないという声が多く聞かれます。しかしいつまたコロナのような感染症が発生するかもしれず、天候不順も増えていることから、家族が安心して暮らせる快適な住まいが欲しいという方も増えています。コロナ禍で自粛が続いた時は、家族全員が家に居たことで光熱費が高額になり、ストレスを感じたという悩みをよくお聞きました。物価上昇や感染症の流行、悪天候など、この先どんな状況になったとしても、経済面を気にすることなく快適に暮らしたいものですね。その答えは、「高気密高断熱の家をつくって消費エネルギーを最小限に抑える」「太陽エネルギーを最大限に活用する」ということに尽きます。

どんどん上昇する電気代にどう対応したらいい?

去年の夏と消費電力はあまり変わらないのに、今年は電気代が高いと感じた方が多いようです。電気料金はどのように決められているかご存知でしょうか。

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)とは簡単に言うと、太陽光など自然の力を利用した発電をもっと普及させたいという国の方針に従って払う協力金です。これは電力会社から電気を購入している全世帯が、使った電力量に応じた金額を支払っています。燃料費調額とは、発電の材料になる原油や石炭などを調達した際のお金を国民が負担するというものです。電気料金の値上がりは、この再エネ賦課金と燃料調達費の単価が上がっていることが原因です。特に燃料調達費については、天然ガス産出国からの輸入が困難になったことで価格は高騰し続けており、国民の負担金も相当なものになっています。それでも今までは国民の負担金には上限額があり、残りは電力会社が負担していましたが、電力会社の努力も限界に達したとのことで、近いうちに上限額は撤廃されるのではないかと言われています(既に東北電力では撤廃が決められました)もし上限が撤廃されれば電気料金は天井知らずで上がり続ける一方になります。今後も値下げの見込みはないとのことですから、電気を今までのように使える場合ではない、という意識づけが必要だと言えます。

 

偉大なる太陽の力、その恵みを最大限に受け取ろう

ご存じの通り、日本はエネルギー資源に乏しく、燃料は輸入頼みという危機的な状況です。しかし幸いなことに、太陽光という自然エネルギーには恵まれていますから、太陽の力を生かさない手はありません。これからは太陽光を利用しなければ損をする時代と言われており、住宅の太陽光利用は必須事項になりつつあります。太陽光といえば発電を真っ先に思いつきますが、普及率はいまだに全体の9%となかなか進んでいません。その理由としては、太陽光発電設備の費用が高い、10年くらいで壊れる、雨漏りしやすい等の思い込みが広がったことが原因のようです。確かに住宅用太陽光発電機器が出始めた12、3年前は、粗悪な発電パネルや、施行技術のない業者による設置で雨漏りなどのトラブルも多かったのですが、近年ではそのようなことも少なくなりました。太陽光発電パネルについても安価で性能の良いものが増えているので、費用面もそれほど気にすることはありません。ただ、新築の場合は太陽光パネルを乗せることを前提に設計施工するので雨漏り等の心配はありませんが、既存住宅は屋根の補強、補修が必要になる場合があるので、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。また、太陽光を利用する方法としては他にも、太陽の熱で直接お湯を沸かして給湯と暖房に利用する「太陽熱利用」もあります。給湯と暖房は家庭のエネルギー消費量の4割を占めますが、ここに電気を使わないで済むので高い省エネ効果が得られます。

特に兵庫県南西部は冬場でも晴天に恵まれた地域なので、太陽熱利用で冬は暖房まで十分賄えます。どうしても電気でしか動かせないものに電気をまわし、給湯と暖房は太陽熱に任せる方法は、大切なエネルギー資源を分散して使うという点で非常に有効です。太陽光の恵みを受け取る暮らしについて考え始めてみてはいかがでしょうか。

損得勘定よりもエネルギー資源の節約に貢献することを考えよう

ニュースをよくご覧になられる方では、太陽光発電の売電価格が下がっていることを聞いて、今から太陽光発電を設置しても意味ないのではと疑問を持たれたようです。これは家庭で発電されて余った電気を電力会社が10年間固定金額で買い取ってくれるという「FIT制度」のことですが、これは「10年ほど売電すれば設置にかかった費用を回収できる」という仕組みです。売電価格が下がっても、今は設置費用自体が安くなっているため、収支で損にはなりません。設置から10年後に売電期間は終了するので、その時は新たに売る会社を見つけて契約するか、自家消費に回すか選択します。10年で太陽光パネルが壊れるようなことはないと思われるので、その時の暮らしに合う方を選べばよいでしょう。ただ、売電価格はこれから上がる予想はないため、売るよりも自家消費をした方が有利になると言われています。なぜなら、買い取ってくれる電気とはあくまでも、家庭で使いきれず余った電気に限られているからです。つまり太陽光発電ができない夜間は売電できず、逆に電気を買うことになります。その時に高い電気を買うよりも、自分で発電しておいた電気があれば安く済み、電気を無駄なく使うことができます。ただ、そのためには余った電気を貯めておける蓄電池が必要になるので、これからは太陽光発電システムと蓄電池はセットで設置することが望ましいでしょう。蓄電池があれば非常用の電源としても使えるので万が一の時にも安心です。電気を大量に必要とするオール電化の家では特に、電気を自給自足できる体制づくりが求められます。

まずはエネルギーを無駄にしない高気密高断熱住宅が必須条件

電気代や光熱費が気になりすぎると、無理な節電に走る傾向があります。既に太陽光発電を取り入れているご家庭でも、できるだけ売電を増やそうと昼間の冷暖房を止める例があるようです。それでも快適なら問題ありませんが、我慢と諦めの毎日なら健康的にも精神的にもよくありませんし、長く続きません。つまりは電気を使わなくても快適に暮らせればいいのであって、そのためには高気密・高断熱仕様の家が必要になる訳です。これまでもお伝えしていますが、家の中が外の気温や湿度に影響されなければ、冷暖房を最小限に抑えることができます。高品質の住まいでさえあれば、この先のエネルギー事情の変化に動じることがありません。太陽の力をより活かすためにも、高断熱・高気密仕様をセットで考えることが必要です。また住宅の性能の他、敷地の状態や家の方位、屋根の形状と向き、太陽光発電または太陽熱パネルの置き方などによって光熱費は大きく変わります。これらを細部に渡ってきちんと設計できる住宅会社に依頼することが大切です。エーディーハウスではそれぞれのご家庭のご事情に合わせた、最適な計画を行っております。快適で、ランニングコストがかからず、長く安心して住める家つくりについて是非相談していただきたいと思います。

 

編集後記

今年の夏も暑かった!年々暑さが厳しく辛く感じるのは気のせいですか歳のせいですか?暑いのが苦手な編集者Y、日中はほぼ屋内で過ごし、買物は完全に日が暮れた後という超日陰生活でしたが、夜でも暑くて暑くて。だんだん思考もおかしくなってきて、日課の夜ウォーキングをしながら、人間夏より冬の方が絶対生きやすいよね、こんなに暑かったら外に出ることもできないもの。などと一人ぼんやり考えてました。ところが調べてみると、人間の体は暑さの方に強くできているそう。ええ~そうですか?だって夏バテはあるけど、冬バテなんて聞かないじゃない。寒ければ着ればいいけど、暑いからって脱ぐにも限界あるじゃない。と疑いの目で解説を読みましたが(笑)人間の祖先はアフリカ大陸で誕生したので、そもそも暑さに強い仕様なのだそう。そしてなにより、他の動物と違って汗がかけて体の熱を放出できる。そう言われてみればそうかもしれないですね、日本では熱中症で亡くなる方より凍死で死ぬ人の方が圧倒的に多いということを思い出しました、それも寝ている間に気付かないうちに低体温症で、という例が一番多いのですから、寒い方が弱いというのは合ってるかも…私が夏に弱いのは多分、汗をかくのが嫌いでいい汗をかいていないせいだと思います(笑)もちろん暑さ寒さの感じ方には個人差がありますし、夏と冬どちらが好きかも人それぞれですが、どうぞみなさん無理せず、おうちの中では快適な温湿度の中で心身ともにリラックスしてお過ごしください。人の体って本当に弱く出来てますよね。産まれたばかりの赤ちゃんは保護しなければ生きられなくて、自立して生活できるまでに何年もかかります。体は皮膚むき出しですぐ傷がつくし、力もなくて衝撃にめちゃ弱い。その分頭脳でカバーしている訳ですから、智恵を振り絞って生きるしかありません。幸い日本人は智恵比べと工夫は大得意なはず。夏はやっぱり嫌いだけど、四季豊かな日本に産まれてよかったと思う編集者でした。

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