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コラム

2013.04.01更新

ADハウス通信 2013年春号「姫路市、たつの市でも注文住宅を急いで買おうとする方が増えているようです」

消費税増税、住宅購入に「買い時」はある?!

消費税増税を来年に控え、姫路市、たつの市でも注文住宅を急いで買おうとする方が増えているようです。注文住宅は高額ですから、少しでも安い増税前に買いたいと思うのも当然のことでしょう。
一方で、税制改正の大綱も決定し、住宅ローン減税や住民税控除など、税率引き上げと同時に実施される減税の内容も明らかになりました。増税と減税の差し引きで、住宅の購入は増税前か後か、どちらがよいのか知りたいという方も多いと思います。
そこで今回は住宅購入によいタイミングはあるのか、見極め方について特集します。

増税のタイミングと対象物

現在5%の消費税が8%に増税されるのは平成26年4月。増税の対象になるのは建物だけで、土地には消費税がかかりません。
つまり、3000万円の一戸建て住宅の金額内訳が土地1000万、建物部分2000万であった場合、建物の2000万円部分のみが課税・増税の対象となります。2000万に対する消費税が5%なら税額は100万ですが、8%なら160万になり、60万円の負担増ということになります。
また、消費税5%で住宅を購入したい場合は、平成26年3月31日までに引き渡しが完了(最終決済)されているか、平成25年9月30日までに請負契約が完了しているかのどちらかが条件になります。建売住宅を購入する場合は、平成26年3月31日までに住宅が買えるように段取りを進めて行けばよいですが、注文住宅の場合は平成25年9月30日までに工事請負契約が結ばれていなくてはなりません。住宅計画から契約までに要する時間を考えると、ちょうど半年前である今頃から家づくりを始めた方がよいことになります。

住宅の引き渡しが14年3月31日までに完了すれば消費税は5%

減税とその効果について

増税後の注文住宅の買い控えの反動減を防ぐために住宅ローン減税が拡充されます。住宅ローン残高の1%を10年間、所得税などから控除するもので、現行は「年間最大20万を10年間、合計200万」減税しているのに対し、増税後の平成26年4月以降に入居の場合は「年間最大40万を10年間、合計400万」減税します。一見では大きな金額のように思えますが、最大の400万円の控除額を受けられる人とは4000万のローンを組める人ということで、相応の収入のある層に減税効果が限られることになります。
そこで、減税効果が得られにくい所得層には住民税から控除したり(現行最大9万7500円から13万6500円へ)更に現金給付を行うなど、様々な救済措置が設けられます。
では結局、税負担はどうなるのでしょう。減税額は各家庭のローン残高や所得税、扶養控除などの事情で大きく左右されますので、すべてのご家庭が当てはまる訳ではありませんが、一つの試算例で大まかな傾向だけ見てみましょう。

消費税額、住宅ローン減税額の試算

これを見ると、増税額が60万に対し、減税額は年収により違いが出て23万から56万。差し引き37万から4万の税負担が増えることになります。結果では消費税増税前の方が得となり、実際多くの方がこのケースに当てはまると思われます。
しかし、ローン金額が3500万を超えるあたりで増減が逆転し、増税後の方が得になります。年収が多くローン金額が多い人ほど増税後の方がよいようです。

消費税だけに気をとられると危険

やはり消費税前に家を買った方が得だと思いがちですが、税金よりも大きな金額差を生む住宅ローンの金利を忘れてはなりません。例えば先ほどの住宅ローン減税の試算例では、金利0.1%の違いで50万以上の差が出ます。
また、同じ例で頭金なしで税率5%の時に全額ローンを組むのと、2割の頭金を貯めてから税率10%の時に残金をローンに組む場合を比べると、金利抑制分が消費税の負担分を大きく上回り、頭金を用意して増税後に買った方が100万以上も得をすることになります。
もちろん、金利変動や返済期間、どこの住宅ローンに入るかで結果は異なりますが、買い急いで高額なローンを組む前によく考えたいところ。自宅の資産価値よりもローン残高が長く上回る状態は家計を圧迫し、精神的にも追い込まれかねません。平成9年の消費税増税の時に駆け込みで住宅を購入した人の約1割が自宅を手放したという厳しい現実もあります。

無理と焦りは失敗の元

では我が家はいつが買い得なのか余計に気が焦るかも知れません。ただあまり損得にこだわり過ぎると、これから長年暮らすであろう大切な住まいの品質を見落とします。
他の買い物と同じ様に、それは本当に気に入り、今必要なものなのか慎重に考えましょう。冷静な見方をすると、消費税やローン減税の損得計算を必死にしたところで、差は10万の桁に留まる程度です。数10万でももちろん大金ですが、3000万という住宅価格から見て、何十年かの間で起こる金額と捉えると、さほど大きな損失にはならないのではないでしょうか。
元々、近いうちの購入を考えていたというならばよいタイミングではありますが、税制度だけを購入時期の判断基準にするのは意味がありません。焦ることなく平常心で、自分の生活に合うタイミングで購入を決断することも大切です。

編集後記

エイディーハウス通信、ただ今リターンズ!今までのスタイルから刷新すべく構想期間と称してお休みを頂いておりましたところ、「エイディーハウス通信が来ない!無くなったの?!」というありがたーいお問い合わせを多数頂き、感謝感激しております(御礼)今まで堅苦しい話題ばかりでしたのに、こんなに皆様に楽しみにして頂いていたとは!編集者とても驚き、歓喜の舞で再度御礼申し上げます♪
実はこの編集後記も紙面のムダかと思い(汗)もう止めようか?とひそかに削除方向で考えてましたが、なんと「編集後記から読んでいる」という、これまた嬉しいお言葉をかけて下さる方もいらして・・・まあそうですか!うるうる・・・じゃあ遠慮なく継続決定(笑)
しかしながら、今どきこうした「紙の新聞」を作り、お届けするというのもどうなのか、という迷いもありました。今や必要な情報はネットでリアルタイムに得ることができ、大手新聞社でも新聞は電子配信する時代です。新聞紙を取らないご家庭も増えてるし。でも新聞を手に取る、開く、紙に印刷された文字を読むという行為は、モニターの文字を読むことよりも強く脳に働きかけるそうです。ネットだと自分の興味のあることだけに検索が集中して偏った狭い情報ばかりになり、しかも覚えにくいのだとか。比べて新聞は興味のない分野の見出しでも目に入ることがきっかけになり自然と読んでいく、それが何気ない斜め読みになっても記憶に残り、後で「あの時こんなことが書いてあった」と思い出すのだそうです。なんとなくわかるような気がしますね。人ってもともとアナログ。だからアナログな情報媒体の方が五感に訴えかける力があるのでしょう。
エイディーハウス通信も、「そういえば、なんかいいこと(?)書いてあったよね」と皆さまの記憶の片隅にちらっとでも残るような存在であればいいな、と。そう願いながら、今後もよりよい新聞作り目指して、決意も新たにした編集者Yでした。

AD HOUSEが叶える
“理想の暮らし”

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