HOME > 社長ブログ > 1枚の写真で語るシリーズ.5「暗さが、豊かな空間をつくる」 
一級建築士 匠の視点 ブログ

2025.09.19更新

1枚の写真で語るシリーズ.5「暗さが、豊かな空間をつくる」 

「暗さが、豊かな空間をつくる」

この写真に映っているのは、今回のリノベーションで生まれ変わった廊下です。
単なる通路にとどまらず、作品を飾ることができる「ギャラリー」として計画しました。
ただ通路として歩くだけでなく、立ち止まり、家族の写真などを飾り、
美を感じることのできる余白のある空間です。

設計の狙い

LDKと寝室の通路はどうしても“つなぎ”の役割を果たす場所になりがちです。
しかしそこを特別なものにすることで、
家全体が多様で楽しく、まるで大きな家かのような感覚をもたらすと考えました。
リビングやダイニングのように、普段明るくにぎわう場とは違い、
この静かで、暗い回廊があることで、暮らしにウィットに変わります。

デザインや照明空間の工夫について

床には国産の檜無垢材で清潔さを
巾の細い檜材の一枚ものを使うことで、
繊細さと少しばかりの緊張を演出、
朝鮮張と呼ばれる手法で3m感覚で長い廊下をリズムよく区切る
区切りの真ん中へ、ダウンライトが、丸い模様を落とす、強い光が檜を白く光らせ空間を印象的に
床全体を明るくしない、闇もつくることで空間に奥深さが生まれる。
途中に、壁の飾り棚に、一番強い光スポットライトを当てることで、これも印象的な空間になる

そのために、天井は反射しない黒、
壁も反射をぐっと抑える色調にし、照明のメリハリを
障子越しの柔らかな光と、スポットに浮かび上がる作品。
その対比がこの廊下を特別な空間にしています。
日常の移動の途中にふと足を止め、闇に沈む壁と光に照らされた一点を眺める。
その小さな体験が、暮らしに深みと豊かさを与えてくれるのです。

最近の投稿

月別一覧

AD HOUSEが叶える
"理想の暮らし"

MORE