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一級建築士 匠の視点 ブログ

2022.02.17更新

高野槇風呂 驚きのメンテナンス方法

10年くらい前の物件です。

写真のような温かみのある、よい風呂だと思います。
床暖房で洗い場はベタ座りもOK

特徴は高野槇浴槽です。ヒノキやヒバなども浴槽はありますが、最高峰は高野槇ではないでしょうか。
あの京都の俵屋旅館さんも高野槇と書籍で読んだことが高野槇の浴槽に至る経緯なんですが。

この度お客様からの連絡があって、実はこちらは2世帯の親世帯の浴室であって、ここ2年もお湯張りをせずシャワー利用だけしかしてなかったのです。しばらくぶりにお湯を貯めようと給湯器のお湯はりをしたところ、まったくお湯が溜まってなくて連絡してこられました。

 

私も、浴槽の普段の清掃などはお伝えしているのですが、

長い間使ってなくて、木のわずかな隙間ができていたのでしょう。しかも床暖房で24時間温かいので木はさらに乾燥しているはず含水率は軽く一桁でしょう。
収縮は0.1%くらいはありますので、当然です。
木樽や木の船もそうですが、水を浸さないとわずかな隙間ができてしまいます。水を浸すことで膨張し隙間が完全になくなる原理。

この際、ただしい方法を高野槇の製造メーカーに聞いたところ、驚きの方法?
水が抜けながらも水を張るのは当然なんですが、その時に、米ぬかを2升分水に混ぜて張ります。米ぬかがわずかな隙間に入り込み、水の膨張+米ぬかで止水するのです。その上で24時間そのまま米ぬか水を貯めておき、抜けてなければ、OK。もし減っていたら、この作業を2回繰り返します。これでほぼ止まるそうです。
なんだが、原始的なのと、コーキングでなく米ぬかという、天然素材の活用に驚きました。

そういえば、ニューヨークの高層ビルのビル屋上の貯水タンクは、ステンレスや樹脂でなく、シダーの木の樽が一番シェアが多いそうです。ローコストや飲料水の雑菌の繁殖の少なさは金属の比ではないと、いうことでした。以外なことで衝撃を受けたのを思い出しました。そういえば、ウイスキーもワインも木の樽ですね。

木の力を改めて感じました。

 

 

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