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一級建築士 匠の視点 ブログ

2022.09.12更新

真の注文住宅で、地味で重要なこと。

注文住宅とはよく言うもので、AD HOUSEの設計は難易度が高いものが多く存在する。難易度をあげているというより、お客様の真意を見抜き、提案をする。一見簡単に見えるが、本当に難しいのである。きちんとディティールが考えられていることが、美しく見えるからくりです。設計部では日頃訓練をしているが、それでもなかなか身につかない。

今回は、来週に契約が迫っている、超面白い住宅のリビング階段の納まりの指示である。これを元にCAD図を仕上げていく。元図であります。手書きは要点がわかりやすいので指示にはコレが良い。

変更案として

水色の部分がお客様の持ち家具で半円状で面にそってRの両開きガラスがある特殊な食器棚を置きたいという要望。

それに対して、階段下に置くために、階段の段を調整します。18段蹴上げ174センチから17段蹴上げ187センチへの変更を余儀なくされます。しかし天井との兼ね合いで14段目までが187センチで行き、15-17段は段のゆとりも大きくし175センチと調整している。

AD HOUSE段と言われる、とても上がりやすい水平垂直の割でない、複雑な平面形状の段割は、工場カットができないため、ミリ単位で大工で手刻みされる。

家具高さを確保、家具が階段段板からはみ出ないように、家具奥の壁を凹ませます。凹ませたので、階段の段板は、30センチほど壁から持ち出ししなければ行けない。

そのためには、段板の裏に補強材を入れるか、段板の厚みを樹種毎に構造計算により割り出します。

段板が壁から30センチ飛び出していては、恐怖症のお客様は嫌がるので、あえてオレンジのラインに補強梁を入れて持ち出しを18センチ以下にして怖さをなくしている。

階段設計が空間のキモなので、特に注意深く設計しています。元設計の上から書いているので、前の線が見えておりますが、ずいぶんと違うものです。

ちょっとむずかしいネタでしたが、我々が一軒の家を仕上げるには、このような大変地味な裏作業が数点あります。実は一見難しく思われる、オーダーキッチン設計のほうがはるかに難易度が優しい。構造と素材強度、端部の納まりなど、使いやすさなど、設計者の感覚と経験をすべて詰め込む必要があるからです。

 

ぜひ、イベント見学会などでは、このような設計の裏を勘ぐってみていただければ、マニアックですが面白いと思われます。

 

 

 

 

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