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一級建築士 匠の視点 ブログ

2024.04.10更新

木造でコストをかけずに大空間をつくる構造を考える。2単純に大きな断面の梁にする。

前回は大空間をつくるの作例を紹介しました。

木造でコストをかけずに大空間をつくる工夫

 

それでは、実際にどのような構造で考えているのでしょうか。

以下4項目

1.単純に梁のサイズを特注で大きくする。

2.トラス構造にする。

3.法杖を補助的につかう。

4.合成梁をつくる。

 

1. 単純に梁のサイズを特注で大きくする。

もっとも簡単なのがコレです。


ただし条件があって、写真のようなスパン7mを超えてると、上階がないこと、屋根だけを支える程度で考えます。それでも等級3など充たすための水平剛性を検討すると。天井下地では済まず、梁を一定の間隔でいれていく必要があります。

ここでは、写真のスケールのとおり51センチの高さの梁を2-3M以内で架けています。梁と梁の間には根太を入れて上部を構造用の合板でしっかり蓋をする構造にして、地震力などが水平面に力が伝わって柱から基礎へ伝わるようにします。

木材といっても、集成材は工業製品と同様、強度が数値で指定できるということで、集成材を使うことが必須で、集成材の樹種も、通常建築では赤松か檜が多いと思いますが、もっとも強度の高い米松材を指定し、巾も105ミリではなく120ミリ、梁の高さは流通材が42㎝程度ですが、特注で51㎝にしてようやく成り立ちます。

単純ではあるが、梁サイズが特注で170KGも重量があって、取扱う場所も選びます。

・メリットは、実施設計前のプラン段階にも、考えやすい架構である。

・デメリットは、天井が梁で分断されて、梁したにダクトを通すなど、天井懐が大きく必要になります。また換気ダクトや照明配線方法を十分に検討しておかないと、急な計画変更ができません。裏方がでかいのでもったいない感あり。
梁成がおおきいため窓上が大きくなるので、外観が間延びしがちなので、デザイン的バランスが設計者の腕によってかわる。

 

今回は、一番単純な架構を紹介しました。

次回は、少し難易度があがる構造です。

 

 

 

 

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