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一級建築士 匠の視点 ブログ

2024.11.18更新

音をとめる技術2。

建物内部の音について(トイレ編)

前回は、外部からの音、についてお話しました。今回は、内部で発生する音をどうするかについて話します。

結構退屈なお話ですが、我々がこういうところに力を入れていることを知っていただきたいと思います。

内部で発生する音をあげてみると

楽器音、洗濯機、食洗機、ドライヤー、TVオーディオ、話し声、足音、換気扇、エアコン、シャワー、トイレ音などが考えられます。

どこまで聞こえてよいか、気になる音かどうかは、人それぞれなんですが。私達が設計で考えていることは、お客様から特別音に対する指定がない場合

まずは、トイレ対策編

AD HOUSEでは、トイレの壁は隣にある部屋の状況により強化の度合いが異なりはしますが。日常で気にならないくらいにはしていきます。

トイレで一番音漏れするのは、内部の建具ドア引き戸の隙間です。ここを閉じなくてはいけません。

既製品を使わないために、オーダー住宅では自分達できっちり納まりの検討が必須になります。これがやればやるほど難易度が高いですが、何もしないと既製品に劣ってしまい、ただデザインのよい戸だけになってしまう。

吊戸が主なので、通常だと戸の上下がどちらも1センチ近く隙間が空いている。ここから音がダダ漏れします。

これを防ぐべく、吊戸では、まず吊戸の上をふさぐような細かな対策をします。それから戸先側の縦を数ミリ縦枠も彫り込まれた溝に入れるように、キッチリ噛むような形状にします。これで半分くらい隙間が埋まります。その上で、戸と壁の数ミリ隙間をパッキンなどで埋めます。最後に戸の下についても、場所によりパッキンを入れます。間取りから大丈夫という場合は入れません。まずは、隙間を埋める、これをやった上で、扉自体を重くつくり音を止めます。

トイレ周囲の壁は、他の部屋と天井ではつながらないように、2Fの床下地まで壁を立ちあげて区画をします。

壁については、まずは遮音で強化ボード(質量が大きい)ものを増しばりして遮音、そして壁の内部には吸音材を入れ壁内部に侵入してしまった音を半減させます。

天井は、吸音に徹します。穴あきボードの上に吸音材をしっかりと入れています。吸音と遮音、まずは吸音で音エネルギーを減衰させて遮音で隣に音がもれないようにする考えです。

それから盲点ですが、常時換気扇を第三種設定にしている場合、リビングなどの空気をトイレから排気と考えている設計が多い。それでは、トイレの戸周囲に隙間がないと換気にならない。ということは、その隙間から音がダダ漏れ。これではダメで。弊社では、トイレは常時換気から外して、トイレは同時給排換気扇にして、トイレ単独で外から空気を吸って吐きだしてと考えています。だからトイレの戸を密封してもトイレ自体の換気も十分できます。

この標準仕様を施すことで、ほぼトイレ音は解消し、安心して使えるトイレの出来上がりです。

 

追記 24年11月18日

トイレの便器=音の発生、この振動と音を伝えないことが防音で大事なこと
便器の床の振動を隣の部屋に伝えないように、下地レベルで対策している。

ブルーの部分は便器の乗る28ミリベニヤの下地、ベニヤ下地を骨に貼り付けするわけだが
下地の骨は、隣とは独立させている。

大変、手間がかかることだが、このひと工夫で性能があがる。高級なものを提供するADHOUSEの隠れた技術である。

 

 

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