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一級建築士 匠の視点 ブログ

2022.05.27更新

伝統建築工法のリノベーションが好き

現在進行中のたつの市の築70年、伝統工法のリノベーションを行っております。

AD HOUSEリノベーションは、完全に新築並みの構造性能と快適性能がほとんどですが、伝統工法には基礎というものがありません。柱が地面にたっているだけです。

となると、リノベーションにおいても基礎をあらたに作って現在の建物並のご剛構造にするるか、または伝統工法に適した限界耐力計算による柔構造検討といった方法があります。
しかしどちらも完璧を求めていないお客様もいらっしゃいます。予算からある程度の性能といった選択肢のほうが、伝統建築では扱いやすい。

今回の物件では、伝統工法を生かしながら、必要箇所を基礎構築し、断熱も省エネ基準クリアくらいといった仕様でのリノベーションとして計画しました。

解体が完了し、構造があらわになった状態での、構造チェックを行います。プラン設計の段階では、完全に構造躯体を把握は難しく、このたびもほぼ想定通りでしたが、一部書院の柱がまさかの構造柱という珍しい物件で、その分の変更が必要になりました。

それにしても、旧宅は、見事な構造で差鴨居がほぼなくて、あまり見ない通し貫の使い方がうまい。一見すれば筋違に見える斜材は、筋違でなく、上部荷重を両端の柱に流すトラス構造であることも判明。現在の建築架構よりはるかに優れた考えで作られており感動しました。AD HOUSE新築においては、私が古い寺社からのインスピレーションでトラスを部分使いし、よくやっている方法です。

スケルトン状態の雰囲気はとても良いものです、地面の土に防湿土間コンクリートを施したら、あと少し手をいれたら、カフェにできるなあと感じました。京都のブルーボトル風のインテリアで、伝統建築を構造補強しならがらのカフェ=自宅の一部をこのような空間にして、水回り寝室や一部はしっかりと断熱で囲むといった方法ならば、古い家を活かせしてあららしいものにない良いものが提案できそうです。

私自身は、高性能住宅を作っていますが、用途が住宅でないならば、はっきりいうと伝統工法のほうが好きですね。和風旅館なども現代建築であるだけで興冷めします。

これからの時代は、古いものはさらに価値が上がります。ぜひ伝統工法での空間をそのまま活かすようなインテリアの自宅やカフェなども手掛けたいので、古屋でやりたいかたはぜひご一報ください。いっしょに作りましょう。

 

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