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一級建築士 匠の視点 ブログ

2022.07.29更新

木造受託の防音設計についての考え

音、についていろいろと頑張っている。しかしながら木造という建物自体が音を止めるには難易度が高い。その中でもできるだけ工夫をしている。

フードの位置を騒音道路と逆面にする。ダクトは最低90度2回曲げを行い音の直進性質を消す。なるべくなら消音ダクトと防音フードに。

音楽室は、演奏している楽しさを感じられるために、ある程度響かせる。硬い材で遮音をメインにする。吸音をメインにすると外への防音は楽になるが、演奏が響かないので楽しくない。となかなかバランスが難しい。

換気穴と開口部は特に大事。開口部とは外部の建具が第一で内部建具はほぼ既製品以外は部屋間の防音は難しい。

壁のボードは3重張りなど、重さを要する。ガラスはなるべく6ミリ以上厚みを持たす。

などなど、対策をしている。がなかなか難しいのです。

例えば、今オープンハウスしている物件では、トイレは土間床なので床下空間がない、この条件だと極端に床の振動が抑えられるのでホール側も静かなレベルになる。弊社物件でも床暖房物件はトイレは全く静かなレベルしやすい。基礎内に反響した音振動は以外にうるさ伝わるものです。トイレは便器が床に接しているため床振動をいかに抑えるかを考えて設計。振動を外部へ伝いないように、隣接部屋との下骨(大引き)をわざわざ切り離すなどかなりの工夫が必要になります。みえない努力がひたすらです。

家具やカーテンのない並行した床壁状態では音がストレートに反射を繰り返すので反響してここちはよく有りません。家具や生活備品がはいることで緩和されてきます。面白いのは、部屋に何もない状態でも床がカーペットの場合は途端に音が吸音され反響しないので、新築現場ではすぐに音の性質がわかります。

ある有名ハウスメーカー様の家の前の道を歩くと、床を歩く振動音が聞こえたり家族のしゃべる声もよくきこえる。かなり防音を謳っていても、音モレモレが多い。音は物理減少なので、基本施工しやすい軽い材で構成するかぎり音は漏れる。厚み重さといったものは、施工が嫌われる。現在のサイディングに代表される乾式工法においては音はかなり不利になる。
そういったことも踏まえて我が社は、外壁は重いシームレスである。そとん壁やモルタル系で仕上げているという信念がある。なので住まわれて見て、初めて圧倒的に他とは違う音の静かさを感じることができるのです。
なので、もちろん断熱材は発泡系の軽いものでは効果がなく、繊維系で密度が高いものにして、音を吸収して減衰させて行くのです。ロックウールなどの繊維系を使う理由は、断熱だけでなく音に対しての効果も得られるので標準採用にしております。セルロースの話がでてましたが、セルロースも充填では55kといいのですが、天井ブローイングだと25kなので要注意です。天井さえ工夫すればセルロースも良いものです。

生活音に対して、意図的に楽器などは大きな音が出ます。この場合は音の大きさによってさらに、壁と屋根の防音処理が変わって来ます。やはり大きな音となると相当頑張らねばなりません。設計者は、まず大きな音がどのくらい何dbかを把握し、周りの環境が静かであるか、雑音が多いところかなどから、どのくらい音を止めようか-何dbにするかを決めます、あるいは建物外で45-50dbまではOKとするといったことから防音設計が始まるのです。

興味があられましたら、一度弊社の設計者を訪ねてみててください。

写真は、書写山円教寺

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