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一級建築士 匠の視点 ブログ

2024.08.17更新

夏の暑さと、冷房に関する考察

夏の暑さと、冷房に関する考察

 

東京は、年平均気温が100年前より+2.3度、なので東京が100年前の宮崎の気温になっていると言われている。そうであれば、もう気候が変わっているのでは?巨人軍が宮崎でキャンプする必要ないのでは?

なんて思ってしまうところだが、冬は温暖化するので無視し、夏に特化した対策が必要と考えてみた。

気温上昇のデータ分析

次に、夏の気温上昇について実際のデータを基に考察しました。1973年から2023年までの7月と8月における一日の最高気温が33度を超えた日数を調べ、その推移をグラフに示しました(図1参照)。

なぜ33度に着目したのかというと、私自身の経験から、33度を超えると、36度や38度といった気温でも同じで、「暑すぎる」と感じるためです。
32.33度は皮膚表面の温度に近く、風があっても、表面より暑いので、より暑さを強く感じるのではないかと思われます。

グラフを見ていただくと、特に1988年から2003年までの15年間は比較的涼しい傾向にありましたが、2008年以降は一転して、33度を超える日が大幅に増加していることがわかります。これは、最新の気候データとも一致しており、東京における年平均気温が100年前と比較して+2.3度上昇していることもその一例です。

 

近年、夏の暑さが増しているように感じられますが、この「感覚」は単なる主観に留まりません。

姫路市の1973年から2024年8月17日までのデータを見ると、7月と8月に33度を超える日数が増加していることが確認されます。特に2024年の予測では、33度を超える日が連続しており、明らかに気候変動の影響を受けています。このような状況では、冷房の使用が増加しているのも無理はありません。

全館空調システムを導入している物件では、従来よりも強力な設定が必要となっており、平屋やリフォーム物件では断熱性能によってその設定が異なることがあります。これに対して、ルームエアコンは風量調整が容易であるため、個室でも快適な温度管理が可能です。しかしながら、全館空調システムを導入している場合、天井ダクト式エアコンの冷媒管で結露が増えるなどの問題も発生しています。また、空気だまりができて温度ムラが生じることがあり、外気を多く取り込むと冷房負荷がさらに増す傾向があります。

断熱強化を行うことで、一台の冷房で家全体を冷やすことが可能になりますが、冷気が届きにくい場所や個室では不快感を感じることもあります。さらに、外気温の上昇に伴い、冷房の負荷は増え続け、従来の感覚では室温を適切に保つのが難しくなってきました。特に、建物や部材が冷えるまでには数日間の時間が必要であり、迅速な対応が求められます。

 

グラフの右に2024年度の8月17日までの数字と、18日以降は天気予報の数字で入れてみると、今年が一番暑いとわかります。

 

次回につづく。

 

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