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コラム

2011.12.01更新

ADハウス通信 2011年12月・2012年1月号「ホントはどうなの?LED(2)」

華やかなクリスマスの飾りに、年の瀬が近いことを感じます。そして、間もなく新しい年へ。希望に満ちた新年であるよう、願いを込めて迎えたいものです。

ホントはどうなの?LED(2)

 

前回ではLED電球の特性と、手持ちの照明器具へ交換する場合の注意点についてお伝えしました。

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さて、物理的に交換できることも確認し、無事取り替えができたものの、実際あかりを点けてみると「前より暗くなった」「イメージと違う」と失望される方も多いようです。
実はこの「明るさ感」の演出はLED照明の一番難しいところなのです。

今使用している白熱電球の雰囲気を壊さず、同じくらいの明るさにしたい場合は、LED電球の「明るさ」と「光の広がり方」を確認しながら選ぶことが重要です。今回はLED電球を違和感なく取り入れるための方法をお伝えします。

明るさは「ルーメン」で確認

これまで白熱電球は、「40W」「60W」という「W」(ワット)数で明るさを表してきました。

そもそもW数は消費電力の単位で、明るさの単位ではありませんが、白熱電球は一Wあたりの発光量がどのメーカーでもほぼ一定で規格化されており、W数が大きいほど明るいことが一般的なため、Wを明るさの目安にしていた訳です。
しかしLED電球は発光効率がメーカー間で大きく異なるため、単純にW数で明るさを比較することができません。LED電球が出始めた頃、「白熱電球の○W相当」と曖昧な表記のものが見られましたが、それが電球自体の明るさに直結していなかったため、混乱を招いていました。

そこで昨年の7月にガイドラインが制定され、LED電球の明るさはW(ワット)ではなく、㏐(ルーメン)で表示することに統一されました。
ルーメンは明るさの単位で、光源から放射される全光束(光の総量)を表し、数値が高いほど明るいことになります。
白熱電球とルーメンを対照した表がありますので、今使っている白熱電球が何Wか確認し、ほぼ同じ明るさが得られるルーメン数値のLED電球を選ぶとよいでしょう。

白熱電球とLED電球の明るさ比較の目安

白熱電球とLED電球の明るさ比較の目安。
40Wの白熱電球と同じ明るさを求めるなら、LED電球は485㏐以上あるものを選ぶ。

LEDは消費電力が同じでも、明るさは一緒ではない

LEDは消費電力が同じでも、明るさは一緒ではないので注意!ルーメンをしっかり確かめて!

光の角度が明るさのカギ

ルーメンを確かめたら、次はLED電球の「光の広がり角度」に注意しましょう。

白熱電球は300度の全方向に光が広がり部屋全体を明るく照らしますが、一般的なLED電球の光の角度は120度なので、光は下方に集中してしまい、横や上部には光が届きにくくなります。光の当たる範囲が狭いため薄暗さ感があり、それがLED電球は明るくない、と言われる大きな原因になっています。

60W白熱電球と同等のルーメンを持つ一般的なLED電球との比較。

60W白熱電球と同等のルーメンを持つ一般的なLED電球との比較。光の広がり方の違いで明るさの印象は全く異なる。
強い陰影は薄暗く寒々しい感じを生みやすいので注意。120度配光はスポットライト的な使い方に徹した方が得策。

LEDの発行体は点に近く、光は一直線に強く進む性質を持っています。LED電球は内部にその発行体を複数集めたもので、元々広がりにくい光を外側のカバーで懸命に広げている訳です。この光の出方は、照明器具との相性を決定付けるものですから充分に検討しなければなりません。例えばシーリング(天井直付け)、ブラケット(壁付け)、ペンダントなど、上方や横方向にも光が回る設計の照明器具に、光が広がらないLED電球では暗がりが多く生じてしまうので避けた方がよいでしょう。

光の角度が120度しかないLED電球

シェードから光が透けて出るタイプなど、器具全体で光らせる照明器具には、光の角度が120度しかないLED電球は不向き。

このような照明器具には、従来のLED電球よりも広い配光角度の「全配光」や「全方向」タイプを選ぶ必要があります。
今年の3月にパナソニックから発売されたLED電球は、白熱電球とほぼ同じ300度配光角を実現しています。他にも広配光のLED電球は数社ありますが、角度が明確に表記してある信頼できるものを選びましょう。

LED電球の実際の光り方はメーカーのカタログに記載されている「配光図」で詳しく調べることは出来ますが、専門的で分かりにくいと思われますので、まずはパッケージでルーメンと配光角度が確認できれば充分です。
全方向に明るく、ルーメンもしっかり確保できているLED電球はどうしても価格が高くなりますが、白熱電球から違和感なく交換するためには不可欠と言えます。価格や寿命、節電度など、機能的なメリットだけを優先してLED電球を購入した場合、もしそのLED電球に何か不満があっても、その後不点灯になるまで何十年も使い続けることにもなりかねません。買い替えには十分な検討を重ね、一気に取り替えるのではなく、少しずつ導入していくとよいでしょう。

次回はLEDとあかりの質について考えてみたいと思います。

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編集後記

アイロンが壊れたので、近所の大型家電店へ。行く度にLED電球のコーナーが拡大していて圧倒されます。特にこの冬、節電対策にどうぞ!の大攻勢ですね。どれ、ひとつ見てやろうか。あら、この千円の特価品のLED電球、相変わらず「60W相当」なんて書き方ですよ?よく見ると「電球直下なら60W相当の明るさです」と随分苦しい言い訳が(笑)そして小さく485ルーメンとの表示。ちょっと暗いけど、電球の真下なら明るいからウソじゃないってことですかね。

一方の目玉商品は「光が広がるタイプ」だそうですが、肝心の配光角度には一切触れてません。これもよく見ると「当社従来品と比較して1.7倍の光の広がり」ですって。オタクの従来品、知りませんよ~。他にも非常に紛らわしくて選びにくい商品ばかり。若いご夫婦が安い商品を買うか悩んでいた様子でしたが、結局諦めたようでした。うん、やっぱりそういうのは止めた方がいいよ。とつぶやきながら編集者、肝心のアイロン売場へ。
しまった、アイロンに大差はないだろうと甘く考えていたのに下は5千円から上は2万円まである!そして同様に悩む(笑)買う時に数千円ケチったところで、この先何年も使うモノの使い勝手が悪かったら元も子もない、値段張る方が安心?いやいや、そんな凄いアイロンじゃなくてもいいよね?と延々と迷い、結局中間のお値段のものを恐々とお買い上げ(笑)
幸いにも使ってみると申し分ないアイロンでしたが、何にしても購入前の下調べは大切、としみじみ感じたひとコマでした。

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